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ゲーム業界ニュース

Electronic Artsによる毒性との戦い –

Mine Sasaki

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Electronic Artsがゲームでのヘイトスピーチ撲滅に向けた取り組みを強化している理由について,マーケティング責任者Chris Bruzzo氏が語る。

 EAは先週,FIFA, Star Wars, Dragon Age , Battlefrontとはまったく関係のない重要な発表をした。というか,それらすべてに関係するものだった。

 デジタルEA Playイベントに先立ち,同社は「Positive Play Charter」と呼ばれる,ゲーム内で何が許容され,何が許容されないかについてのルールを明らかにしたのだ。EAは過去にもコミュニティのガイドラインを示していたが,この憲章はちょっと違った。企業の法的ルールのリストのようには読めず,より直接的で親しみやすい言葉遣い ―EAは「リアルトーク」と表現している― で,ユーザーに何を期待しているかを定め,軽率な行為をした場合の結果を詳細に説明していたのだ。

 オンラインの毒性はビデオゲームに限ったことではないが,確かに蔓延している。―EAによると,昨年はプレイヤーの58%が毒性のある行動を経験したという。パブリッシャはこのような問題に対処することに消極的なように見えることで批判されてきたが,EAがこのような公の場で動き出したのは何が原因なのだろうか?

 「我々はここ数年,この問題に注力していました」EAのチーフマーケティングオフィサーであるChris Bruzzo氏は次のように述べている。「マルチプレイヤーゲームや大規模なオンラインコミュニティが,今やゲーム体験の大部分を占める中心となっていることが非常に明確になったからです。これはもはや補助的な領域ではありません。つまり,我々はもはや傍観者ではいられないということです」

「今では,これまで以上に有害な行動は受け入れられず,人種差別は受け入れられず,性差別,同性愛嫌悪,ヘイトスピーチは受け入れられません」

 「Building Healthy Communities Summitというイベントを昨年行いました。ストリーマー,YouTuber,インフルエンサー,コミュニティマネージャー,筋金入りのプレイヤー,カジュアルプレイヤーなど,さまざまな視点からの意見が集まりました。1日中,多くの議論が交わされ,いくつかの気づきが得られたイベントでした。その中で,我々は一連のコミットメントを行いました」

 「プレイヤーが虐待を報告するための新しいツールを立ち上げ,有害な行為に対処するためのエスカレーションポリシーを改善し,コミュニティ管理に直接関わるEAの従業員全員に有害性についてのトレーニングを行いました。また,より厳格なコミュニティガイドラインの施行を開始しました。実際にモデレーターや管理者,ストリーマーなどを有害な行動から守るために,我々は前に踏み出したのです。これは昨年から行っています」

 「しかし,今年,我々は問いかけました。これを今後どのような形で進めていくのか? と。そして,それはより大きなコンセプトとなり,憲章にも書かれているように,ポジティブなプレイという考え方になっていきました。それが何を意味するのかを明確にし,プレイヤーをはじめとするすべての人に責任を持たせていきます」

 「COVID-19の周りで起こったことを加えると,コミュニティがデジタルに関わることの重要性が高まります。多くのことが起こっているからです。さらに,人種的不公平が前面に出ているという我々が経験している問題も加わります。アメリカで経験していると言えるかもしれませんが,実際には,抗議や活動,会話を見れば,世界的なものです。我々は考え始めました。今やこれまで以上に,有害な行動は受け入れられません。 人種差別は受け入れられません。性差別,同性愛嫌悪,ヘイトスピーチは 受け入れられません。どのような行動を取るかを 決めるときです そしてそれがここでの我々の行動です」

Chris Bruzzo氏(EAチーフマーケティングオフィサー)

 この変化の一部は,パブリッシャがプラットフォーム所有者に頼ることができなくなったことに起因している。

 「以前は,デベロッパであれば,Microsoftやソニーに任せておけばいいと思っていました。なぜなら,アカウント作成やパーティシステム,ソーシャルシステムがあるのはそこだからです。しかし,今はそうではありません。今では誰もが役割を果たさなければならないのです。Microsoftやソニーの技術を利用しているわけではなく,1つのゲームの中で文字どおりソーシャルコミュニティを運営しています。我々が構築したソーシャル機能を活用しているのです」

 「もう1つの興味深い点は,クロスプラットフォームでのプレイです。PlayStation,Xbox,PCのプレイヤー間でマッチを作るなど,ゲームメーカーに任されていることを認識しています。我々は,特定のプラットフォームに依存しないつながりを作っているのです。そうなると,ソーシャルでの相互作用がポジティブなものになるようにする責任が大きくなってきます」

 「それこそがRespawnがPingシステム(ボイスチャットを使わずにチームメイトとコミュニケーションを取るための手段)を使って行った大きな動きの1つであり,Apex Legendsで作成されたプレイヤー間のコミュニケーションの多くは,有害性の機会を排除するように設計されています。Ping システムや会話ホイールなどを使用して Apex の内部で発生する,本当にクールなプレイヤーのエンゲージメントが山ほどあり,ゲームを楽しくし,多くの相互作用で非常にソーシャルな感じになっています。でも,毒性はありません」

 「我々は人々と協力しなければならず,誰も傍観者ではいられません。デベロッパは素晴らしいツールとコントロールを持っていなければなりませんし,プラットフォームもそうです。ゲームを取り巻くシステムもそうです。私が話しているのはDiscordやTwitchのようなものですが,これも本当に重要な分野であり,プレイに重点を置いた環境を作るために協力する必要があります」

「クロスプレイは,ソーシャルな相互作用がポジティブなものであることを保証するための責任を増大させます」

 Bruzzo氏が常に戻ってくるのは,「プレイに集中する」という要素だ。Facebookのようなソーシャルプラットフォームは異なる目的で利用されているが,EAのコミュニティはすべてゲームをプレイすることに集中している。そのため,EAは何が許されていて何が許されないのかをより厳しく管理できる。

 「我々が行った調査では,プレイヤーの58%が昨年1年間に何らかの形で有害な行動や破壊的な行動を経験したと答えていました。それがプレイしないことを選択する主な理由の1つです。毒気がプレイを台なしにしている,これ以上の証拠は必要ありません。我々は皆にプレイしてもらいたいので,立ち上がるときが来たのです」

 氏は「Apex Legendsのリテンションは非常に優れています。我々は,Respawnが行った強力な機能の決定に基づくコミュニティのポジティブさなどが,このゲームの素晴らしい点に直結していると考えています。我々は,プレイヤーがゲームを進めるうえでの障害を乗り越えられるようにサポートすることや,ゲームの仕組みを理解していないプレイヤーが離脱してしまわないようにするためのオンボーディングにも力を入れています。プレイヤーに楽しんでもらいたいからこそ,そこに力を入れているのです。すると,実際に大きな離脱の原因の1つになっている,このような他の陰湿な要素が出てきます」と付け加えている。

 「それは我々にとって自然なことです。プレイヤーには長く遊んでもらいたいと思っていますので,ゲームを理解しやすくするために努力してきた分,コミュニティにも力を入れるべきだと思っています」

Apex LegendsのPingシステムが毒性の機会を奪う,とEAは語る
Electronic Artsによる毒性との戦い

 EAは,より多くの人材をこの問題に貢献させることを約束しており,現在ではカスタマーサービス組織がアカウントと行動の監視と管理の責任を負っていると述べている。すでに何千ものアカウント名やタグ,コンテンツを見直し,ナチスのシンボルや同性愛嫌悪,人種差別的なスラーなど,3500種類ものコンテンツが削除されているとのことだ。

 「これには多くの努力と人手が必要ですが,ソフトウェアも活用しなければ不可能です」とBruzzo氏は説明する。「我々がソフトウェアの組織であることが良いニュースです。我々はソフトウェアを開発していますが,ここには本当に才能ある技術者がいて,我々のシステムから有害物質を監視し,排除するためのツールを常に改良しています」

 EAが排除しようとしている問題の多くは,人種差別,性差別,同性愛嫌悪,あらゆる形態のヘイトスピーチなど,社会全体で見られる問題である。しかし,ビデオゲームに特有の有害な行動,つまり不正行為も存在する。

「不正行為はより高い敵意につながり,より高い敵意はより高い毒性につながります」

 「カンニングもプレイを台なしにしますし,健全なコミュニティではありません」とBruzzo氏は述べている。「プレイヤーに不当な優位性を与えるソフトウェアやハッキング,エクスプロイトを使用することは大きな問題であり,プレイヤーからはプレイ体験を大幅に台なしにし,プレイしたくなくなる原因になると報告されています」

 「しかし,ここにもう1つのことがあります。 ―それはプレイヤーを怒らせることです。これは受動的なエンターテイメントではありません……。私はこのゲームを上達させるために何時間も何時間も投資しているのです。ゲームをユニークなものにしているのは,プレイヤーが進歩を感じたいからプレイしているということです。誰かが不正をしていたり,フェアではないことが原因で自分が進歩できないと感じると,ここに至るまでに多くの投資をしていればこそ,さらに感情的になります。不公平なプレイがより高い反感を生むと,より高い反感はコミュニティ内での有害性を高めることにつながります。我々はそれらの間に直接的な関連を見ています。我々はそれに対処する必要があります」

 EAは,プレイヤーに何が期待されているかを明確にしていると述べており,彼らは人々に責任を負わせ,その結果を公表するつもりだ。しかし,ガイドラインにはまだ曖昧な部分もある。たとえば,会社は次のように述べている: 「我々は,絶対に必要な場合を除き,禁止のハンマーを落とすためにここにいるわけではない」では,何が禁止を構成するのだろうか?

 「繰り返されるもの,意図的なもの…… 『絶対に必要な場合 』とは 警告を受けたにも関わらず その行為を続ける場合です。明らかにひどい場合は…… ヘイトスピーチや容認できない行為や危害を加えるレベルのものであれば,何度も攻撃を受けることはありません」

「コミュニティマネージャーの虐待も含めて,過去に容認してきたことを今後は容認しません」

 「それらはあなたを追放できます。ほとんどの場合,反復的な有害な行動が原因で禁止されることが多いのです。多くの場合,最善の解決策は警告することであり,それが行動を修正することにつながり,皆が前に進み,プレイヤーを追放する必要はありません。これが最良のサイクルであり,実際に最も一般的なサイクルなのです」

 しかし,人種差別や性差別のようなヘイトスピーチ関連では許容範囲はゼロだ。「我々は,他の性別についての軽度の不適切なコメントについて話しているのではありません」とBruzzo氏は明らかにしている。「セクハラの話をしているのです。それは容認できません」

 氏は続ける。「これまでは『ゲーマーはゲーマーだから』というのが常識でした。そして,その時代は終わったのです。過去に許容してきたことは,従業員やコミュニティマネージャーへの虐待も含めて,今後は許容しないことにします。しかし,エキスパートプレイヤーやインフルエンサー,コンテンツクリエイターと一緒に仕事をする際には,彼らが守らなければならないガイドラインについての合意書にサインする必要があります」

 Bruzzo氏によると,悪い行動を罰するだけではなく,良い行動をした者にはゲームを作っているチームへのアクセスを増やすことで報奨金を与えるとのことだ。しかし,それ以上にEAは「ポジティブプレイ」への取り組みは,コミュニティの取り締まりを強化すること以上のものだと語る。オンラインゲームにおける毒性を根絶するという使命は,開発からマーケティング,コミュニティ管理,PRまで,ビジネス全体に及んでいる。

 「ポジティブプレイの一部には,すべての人を参加させることが含まれており,参加させるということは,コミュニティの管理方法だけでなく,どのようなストーリーを語るかということも含まれています。マーケティングやゲーム開発,そしてより多様でインクルーシブなストーリーを伝えるためのレンズになります」

 「Electronic Artsのインクルージョンに対する強い信念は,何年にもわたって現れています。The Simsでは,ジェンダーや性的嗜好,プレイヤーの選択,Biowareのゲームでは人間関係のオープンさ,FIFAでは女性の代表チームの参加などをオープンにしています。歴史的に見ても,これらはすべてEAが行ってきた強力な投資ですが,我々にできることはまだまだたくさんあります。誰にとってもポジティブなプレイを考えれば,PINGシステムのようなクールなシステムを作ることができるだけでなく,多様な背景を持つキャラクターをより多く取り入れ,より面白いストーリーを伝えることができるのです」

 氏は締めくくりとして「我々は,誰もがプレイできると感じてほしいと思っています。フェアなプレイがあってほしいですし,健全なプレイが,健全なコミュニティがあってほしいのです。そして今こそ,我々がポジティブな遊びのために立ち上がるという明確な言葉を使うべきときなのです」と語った。



著者: “jp.gamesindustry.biz編集部 — jp.gamesindustry.biz

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ゲーム業界ニュース

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか? –

Mine Sasaki

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 おそらく本サイトをご覧になる皆さんは「Surgeon Simulator 2013」をご存知だろう。Global Game Jam 2013での登場以降,世界中で大ヒットした「ゆるゆる物理」系ゲームだ。のちにSteamで完全版が公開され,実に多くのプレイヤーがその奇想天外な残虐性に大笑いした。

 先日,開発チームであるBossa Studiosは正当続編として「Surgeon Simulator 2」を発表した。小規模なチームから始まったBossaも,現在はこうした規模の大きなゲームを作るスタジオに成長し,投資家からの支援も多数受けている。



 そんなBossa StudiosのCo-Founder & Gamer-in-ChiefであるHenrique Olifiers氏に,Bossaの成功とSurgeon Simulator 2についてインタビューを行った。Bossaの沿革をはじめ,投資企業からのサポートや英国のゲーム産業への支援,インディコミュニティや最大4人のマルチプレイとレベルエディタを搭載して大きく変貌を遂げたSurgeon Simulator 2での技術的な挑戦について,じっくりヒアリングした。

Bossa Studiosが成功するまでの道のり

Henrique Olifiers氏
「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

――Bossa Studiosの沿革を教えてください。

Olifiers氏:
 Bossa Studiosは2010年にRoberta Lucca,Henrique Olifiers,そしてImre Jeleによりクリエイティビティを最優先にしたゲーム開発をするという理念をもとに設立されました。80年代や90年代に心から楽しんだ,可笑しくて,ルールに縛られないゲームを作るのがその目的です。たとえば,我々がMSX時代に楽しんだゲームは,ペンギンがお姫様を救うためにドラゴンと戦う「夢大陸アドベンチャー」や,「Qバート」「パックマン」など,よく考えれば不思議なキャラクターが活躍するゲームだったわけです。
 最近のゲーム業界は少しシリアスになりすぎており,そこに風穴を開けてみたかったのです。

 Bossa Studiosとして初めて作ったゲームはマルチプレイヤーの「Monstermind」で,これはSNSにおいてリアルタイムで遊べる最初のゲームであり,BAFTA(英国アカデミー賞:ヨーロッパで最も権威のある賞)を含むいくつもの賞を受賞しました。このサンドボックスタイプのゲームは,プレイヤーが自分たちの都市を作り,B級映画に付きものの巨大なゴジラやキングコングのような怪獣を育て,その怪獣で友達の都市を攻撃して,その防衛網を破壊しまくるというものです。
 Monstermind後はSNSプラットフォームから離れ,最初のPCゲーム,「Surgeon Simulator」を作りました。その後,それほど時期を置かずにパンがトーストになるために冒険する「I Am Bread」を作り,そのどちらも販売数累計数百万を超える大成功をしたのです。
 Bossa Studiosの特徴は,どのゲームも奇想天外で,他で見かけることのない独自路線のクリエイティブなゲームであることだと思います。Surgeon Simulatorがリリースされた当初,このようなゲームはありませんでした。今でもI Am Breadのようなゲームはありません。我々は,新しくて,ちょっと変わったゲームを作り,ゲーム業界を少しでも変えていけたらと思っています。

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

――Bossa Studiosが今の人数まで成長するにあたり,どのような道をたどりましたか。

Olifiers氏:
 この会社の創業時には,創業者と4人の従業員しかいませんでした。創業チームメンバーの1人は「Thomas Was Alone」や「Volume」を作ったMike Bithellです。MonsterMindのリリース時には,それが12人に増えました。2013年にSurgeon Simulatorがリリースされた時にはそれが35人になっていましたが,Surgeon Simulatorのチーム自体はたった4人で構成されていました。Global Game Jam 2013にはスタジオから2チーム送り,そのうちの1チームが作ったのがSurgeon Simulatorでした。
 クリエイティブが中核となっているスタジオですから,我々は毎月社内か,あるいはGlobal Game Jamのような社外でゲームジャムを行っています。年に100程度(毎月7から10)新ゲームのプロトタイプが作られますが,プロダクションに乗るのはそのうち2,3のゲームで,最終的なリリースに繋がるのは1つか2つのゲームだけです。
 こういったゲームジャムを通して,多くのアイデアをテストし,人々にユニークだと思われる楽しいゲームを作り出しています。今ではスタジオは100人体制となり,3つのプロジェクトを同時に動かしています。

――会社を大きくしていく中で,英国政府や地域,業界団体などからのサポートは受けましたか。

Olifiers氏:

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

 イギリスには,「VGTR(Video Game Tax Relief)」という税金扶助があり,これにより開発コストを20%削減できます。また,UKIE(The Association for UK Interactive Entertainment)という組織が政府や政策担当者と掛け合い,業界をきちんと認めてもらえるようサポートしてくれています。政府が法令や政策を決めるうえでこの業界の必要事項を認識してもらうためにも,これは非常に大切なことです。

――BossaにはベンチャーキャピタルのMakers Fundが投資しています。どのようなきっかけで投資が決まったのでしょうか?

Olifiers氏:
 Makers FundのJayson ChiさんとMichael Cheungさんには,「Worlds Adrift」という壮大なサンドボックスMMOを開発していた2017年に初めてお会いしました。これはUGC(ユーザー制作コンテンツ)を基本とするゲーム戦略としては最初のもので,他のプレイヤーと共にゲームの未来を作っていくゲームでした。

 ゲームのリリース前に,ゲームプラットフォーム上に空に浮かぶ数千もの島を用意し,プレイヤーがそのプラットフォームやツールを駆使してゲームの世界を作れるようにしました。

 このUGC戦略が成功した背景にはBossa Studiosの方向性を信じてくれたMakers Fundが大きく貢献しています。このゲームで得た戦略や技術は,次にリリースするSurgeon Simulator 2にも引き継がれており,このゲームでは4人までのプレイヤーが協力し合ってレベルやゲームメカニクスを同じ環境で同時に制作できるようになっており,UGCがさらにレベルアップされています。

――ベンチャーキャピタルからは資金提供のほか,どのようなサポートがありましたか?

Olifiers氏:

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

 Bossa Studiosの投資家たちは,ゲーム業界での経験値の高いプロフェッショナルで,投資家である以前にアドバイザーとしていろいろと相談に乗ってくれています。彼らが窓口となり,いろいろな人に紹介してもらったり,戦略やプラットフォーム,市場に関するアドバイスなどももらっています。スタジオとしての大きな決断をする前には彼らにもその情報を共有していますが,それは彼らが会社に出資しているからではなく,ゲームや業界のことを熟知しており,洞察力のある方々だからです。

 投資家とそういった関係を保っていられるのは,珍しいことなのかもしれませんが,投資家のMakers Fund, LVP, Atomico,そしてNetEaseは常にその洞察力を駆使して相談に乗り,サポートしてくれています。取締役会もいつもスムーズに運び,さらにスタジオを良い方向に導くための話し合いを行う良い機会となっています。

――VCからの投資を受けるまでに,どのくらいピッチを行いましたか? 

Olifiers氏:
 Bossa Studiosではたいてい,提案から6か月以内に出資を受けています。最初のゲームがリリースされる前に,すでに多額の出資を受けることができました。これはクリエイティビティを中核にする方向性と創業者チームの過去の成功を認めてもらったからだと思っています。Bossa Studios の創業者1人1人の過去の実績が,最初のシードラウンドを受ける際には役に立ちました。

 今までの出資を受けるまでのサイクルは早く,だいたい開始してから3〜4か月で出資を受けています。

 出資を受けるための売り込みには労力がいります。毎回,まず40社ほどの投資家たち1人1人に売り込み,その中から会社に合う投資家を選んでいきます。自分達にマッチし,会社の理念を理解し,長期にわたって協力してもらえるパートナーを探すには,多くの時間を割く必要があります。そのためにはたくさんの人と会っていくことになります。

――英国にはインディのためのコミュニティでどのようなものがありますか。また成長中のスタジオがあれば教えてください。

Olifiers氏:
 イギリスには世界で最大規模のインディゲームのエコシステムがあります。たとえば,Team17がリリースしている「Overcooked」のGhost Townや「The Escapists」のMouldy Toofなど,そのほとんどが地元のインディスタジオにより開発されています。ほかにもよく知られたスタジオとしては,FacePunch(「Garry’s Mod」や「Rust」)やHello Games (「No Man’s Sky」)などが挙げられます。

 イギリスのインディコミュニティのネットワークは広く張り巡らされていますが,一大「ハブ」があるわけではなく,小さなコミュニティが会う機会を作ったり,GDCなどのイベント参加の際に落ち合ったりしています。誰もがいつも仲良く,機会があれば協力したり,サポートし合ったりしています。これはおそらく80年代にいわゆる「ベッドルームコーダー」と言われていたクリエイターたちが,少しでも良いゲームを開発するためにノウハウなどを共有し合ってきた過去に帰するものだと思います。

大幅な進化を遂げた「Surgeon Simulator 2」

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

――今回は「マルチプレイ」という大きな変化がありました。技術的なチャレンジは大変でしたか?

Olifiers氏:
 最初に作ったゲーム,Monstermindがマルチプレイヤーであったこともあり,Bossa Studiosではマルチプレイヤーゲームには長く携わってきました。ですが,Surgeon Simulator 2は,マルチプレイヤーであるだけでなく,物理演算も関わってくるため,複雑な要素が加わっています。プレイヤーがハチャメチャなプレイをし,数千ものモノが動き回っている中で,物理演算をシンクロさせるのはとても難しいチャレンジでした。

 Surgeon Simulator 2では,そのゲームデザインを実装できる他社ソリューションがなかったため,マルチプレイヤーのスタックはゼロからの自社開発となりました。これには莫大な投資と作業が必要となりましたが,数千のプレイヤーが同時にプレイできる安定したスケーラビリティのあるシステムを開発することができました。

 信頼できる会社が作った既存の技術システムがあるのなら,それを実装することで,技術ではなくゲームを作ることに専念したいというのが会社の基本方針ですが,どうしても既存のシステムが見つからない場合,Surgeon Simulator 2のように自社開発することになります。

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

――レベルエディタも大きなフィーチャーです。開発で苦労した点はありますか?

Olifiers氏:
 レベルエディタに関しては,すでに数年前にWorld Adriftで作られたものがあったため,その基礎はありましたが,今まで1人のプレイヤーでしか作成できなかったレベルを複数のプレイヤーが同時に制作に関われるエディタを作るのはゲーム業界でも初めての試みだったのでないかと思います。こういったツールにはレベルのオーナーが誰か,誰が制作物を投稿するのか,またそれを変更できるのは誰かなどのロジカルな問題を解決する必要があります。

 このエディタを作るのは大変でしたが,Surgeon Simulator 2でプレイヤーたちが,友達と一緒にクリエイティビティを存分に発揮しながら,楽しく,質の高いコンテンツを制作しているのを見ていると,努力した甲斐があったと思います。将来的に,マルチプレイヤーのUGCがゲーム開発の大きな柱となっていくと信じていますので,その一石を投じることができたことを誇りに思っています。

――発表当時からストリーマーによる動画放送を歓迎しているようですが,動画配信者との付き合い方をどう考えていますか?

Olifiers氏:
 ゲーム実況者や配信者とはSurgeon Simulator 2013のリリースから,とても良い関係を築いてくることができていました。すでに7年が経過した今も,毎日40万人もの人々がYouTubeでSurgeon Simulatorのビデオを視聴しています。Surgeon SimulatorとI Am Breadのビデオは合わせて50億回以上視聴されており,これは長年実況者や配信者と築きあげてきた関係の賜物だと思っています。
 実況者や配信者には,ゲーム開発の初期段階から協力してもらっています。ゲームのアイデアを共有し,意見交換し,彼らのコンテンツやIP を参照し,彼らからの興味深いアイデアをゲームに取り入れていきます。このような関係を築くことで,プレイするだけでなく,視聴するにも楽しいゲームの開発が可能になり,より視聴者に近づいたゲームを作ることができるようになります。また,視聴者に近づくことでゲームのプロモーションに繋がります。
ゲーム開発者以外の方々から意見を収集するというのは今に始まったことではなく,以前は雑誌の編集者やジャーナリストなどとのプレビュー時に多くの意見交換を行い,ゲーム開発に反映させてきました。ですから,新メディアの台頭と共に,伝統的なメディアから,より視聴者に近い実況者や配信者へと協力体制が変わっただけなのです。



――TwitchやYouTubeなどの動画プラットフォームとは,何か協業やマーケティングの協力をしていますか?

Olifiers氏:

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

 TwitchとYouTube はゲームの成功には欠かせないパートナーであり,良い協力関係を築いています。彼らをもってしても面白くないゲームを成功させることは難しいですが,すでに好評を博しているゲームをさらに拡散させるためには彼らのサポートは欠かせません。
 Bossa Studiosのマーケティングチームは通常のゲームパブリッシャとは異なり,元ゲーム実況者,ソーシャルメディアのエキスパート,ゲーム開発者などで構成されています。そのためパートナーや情報を受け取る側に応じて臨機応変に応対することができます。ゲームをサポートしてもらうためには,その応対が重要なため,このチームはゲームを成功に導く「潤滑油」であると思っています。

――日本では通常の動画ストリーマーに加え,Virtual YouTuber(VTuber)と呼ばれるアニメスタイルのLet’sPlayが非常に盛んです。そのような文化に興味はありますか?

Olifiers氏:
 Vtuberとは,実況者が自分ではない特別なジャンルやスタイルの他の「誰か」になり切り,視聴者にアプローチする手法だと思います。これは「現実」の実況者が自分では表現しにくい,新しいアイデアや考え方を実況者とキャラクターの間に距離を置くことで表現しているため,ある意味健康的であり,興味深いと思います。
 開発の観点から言っても,彼らは,例えば,ゲーム内キャラクターになりやすいため,協力しやすいように思えます。もし日本のVtuberでBossa Studiosのゲームに興味ある方がいらっしゃるようでしたら,ぜひお声掛けください!

――今作のPC版はEpic Games Storeから発売されます。プラットフォーマーからのサポートはいかがですか?

Olifiers氏:

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

 Epic Gamesからは「ゲームの売り上げの前払い」というビジネスモデルを提示され,その予算を使って開発チームがゲームをより良いものにすることができました。このビジネスモデルはインディゲームの開発者にゲームリリース時のマーケティング予算を確保する術を与えるため,業界を変革させる素晴らしいモデルだと思います。

 このモデルは家庭用ゲーム機器のパブリッシャから提示されることはありましたが,PCのプラットフォームでは皆無でした。このようなモデルが普及すれば,ゲーム開発者はさらにリスクを取ったり,野心的になることが許容されるため,ゲームの質も上がり,プレイヤーにも喜ばれる結果になると思います。

――新型コロナの状況下で,開発現場はどう変わりましたか。

Olifiers氏:
 このパンデミックは我々のスタジオや会社の文化を根本的に変え,今でもそれは変わり続けており,最終的にどうなるのかまったく分かりません。
 4か月以上にわたり,100人の全社員が在宅勤務を続けています。社員からはすでに,皆がスタジオ内で作業するという形態には戻りたくないという声が上がっており,在宅勤務と出社を用途に合わせる形態になりそうです。プロジェクト開始といった開発時の大事な段階には全員が出社し,その後は必要に応じて要員が出社したり在宅勤務を行ったり,という形態になるのではないでしょうか?

 そのためのツールや規則,働き方など,まだトライアルの段階ですが,これを問題とは考えずに良い機会だと思うようにしています。例えば,今までイギリスに引っ越して来ることを前提に考えていた採用を変えることはできないか,また,日々のアウトプットを上げていくコラボレーションのソフトウェアやアプローチはないか,などです。
 答えが出るのはまだ先のことになるとは思いますが,働き方の変革が起こっているのは明らかです。

――実地開催のゲーム展示会がなくなった今,どうやって作品をアピールしていますか。オンラインイベントによってプレイヤーからの関心はどう変わりましたか。

Olifiers氏:

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

 展示会からオンラインイベントに移行するのは難しいことです。展示会開催者の中でも,上手く移行できたケースとそうでないケースが見受けられます。

 残念ながら,今の私たちには選択肢はありません。オンラインに移行するしかないのです。しかし,そういったイベントの内容は開催者任せになるため,自分たちで変えられることは限られており,今まで開催されたイベントでも結果は展示会より良かった場合と悪かった場合に分れています。

 オンラインイベントの良いところは,展示場に実際に行ける人々だけでなく,興味のある人すべてにアプローチできることです。悪いところは,開催者がそのノウハウをオンラインに移行するためにはまだ時間がかかりそうだということです。

 今月末にはGamescomが開催されますが,彼らはオンラインイベントに精通した The Game Awardsに協力を要請しており,それがどう転ぶか興味深いところです。展示会開催者がオンライン開催者と手を取り合っていくのが,今後の手法になるのかもしれません。

――以前の作品I AM BREADでは,日本のクリエイターによる「DEEEER Simulator」とのコラボレーションがありました。Surgeon Simulator 2も,こうした日本のインディとのコラボレーションを望みますか?

Olifiers氏:

「Surgeon Simulator 2」を生み出したBossa Studiosはどんな開発チームなのか?

 DEEER SimulatorのKickstarterを初めて目にした直後に,開発者(たった1人で開発されていました)に何かサポートできないか連絡を取りました。何をできるか,何をするか,などまったく見当もつかなかったのですが,何らかの協力をしたいと思ったためです。

 今までも,さまざまなインディスタジオと協力しあってきましたが,すべて欧米のスタジオで,日本のパートナーと協力したのは初めてのことでした。

 私たちの大好きなゲームの多くは日本で作られており,日本人のクリエイティビティや開発力には常に尊敬の念を覚えています。今後ももっといろいろと協力関係を築いていけたらと思っています。

――最後に我々日本のクリエイターにアドバイスをください。日本でもさまざまなインディスタジオがあります。成長を目指すスタジオは,作品作りのほかに,どのようなアクションを起こすとよいと思いますか?

Olifiers氏:
 失敗するならなるべく早くに,そして最小限に抑えること,です。アイデアは次から次へと湧いてくるものですが,最初の(または10番めの)アイデアが「絶対に成功する」わけではないため,それにすべてを賭けてはいけません。いくつかのアイデアをプロトタイプとして検証し,その中に宝物を見つけたら,それにすべてを賭けるのです。

 紙に書かれただけのものや頭の中にある素晴らしいアイデアの大半は良いゲームにはなりません。そのアイデアの良し悪しを証明するために開発を開始してしまったら,そのゲームを「素晴らしい」ものにする時間の代わりに「そこそこ良い」ものを作るために時間をかけることになってしまします。

 Bossa Studiosでは,1つの良いゲームを見つけるために,少なくとも100のプロトタイプを作ります。プロトタイプを作る前には,それら100のアイデアは素晴らしいものに見えますが,最終的に製品化できるゲームのみに時間を投じるべきです。

 Surgeon Simulator 2013をある程度まで遊べるプロトタイプにするまでに,4人が48時間を費やしました。そのプロトタイプが楽しかったため,世界中のYouTuberがプレイし始めました。ゲームの開発を正式に始めた時点で,すでにこのゲームが大きな成功を収めることは分っていたのです。

 インディゲームのスタジオが必要なのは,ゲームを開発する前から確実にそのゲームが成功するという確信なのです。

――ありがとうございました。



著者: “jp.gamesindustry.biz編集部 — jp.gamesindustry.biz

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【海外版・7/29~8/4 IR記事まとめ】各社の第2四半期収益は大幅減、マカオ旅行緩和はわずかに前進 (1/2) | JaIR -日本型IRビジネスレポート-

Mine Sasaki

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 JaIRがお届けする海外版・IRニュースまとめでは1週間分の海外のIR関連記事をまとめ、毎週お届けしています(掲出日は現地時間)。今回は7月29日(水)~8月4日(火)までのIR関連記事。出典サイトは記事の文末にまとめて記載していますが、各社のSNSも情報ソースとしています。なお、1ドル=106円、1マカオパタカ=13円換算です。

2020年8月4日(火)

 

【ラスベガス】ウィン・リゾーツの四半期収益95%近く急落

 

Wynn Resorts quarterly revenue plunges nearly 95%

https://www.marketwatch.com/story/wynn-resorts-quarterly-revenue-plunges-nearly-95-2020-08-04

 

カジノオペレーターのウィン・リゾーツは、第2四半期の営業収益を報告、8570万ドル(約90.6億円)で、2019年第2四半期の16.6億ドル(約1,755億円)から94.8%(15.7億ドル:約1,659億円)減となった。

ウィン・マカオも損失に転じ、営業収益は1,190万ドル(約12億円)で、2019年第2四半期の5億4,650万ドル(約577億ドル)から97.8%減となった。

■関連記事

ウィン・リゾーツ第2四半期は営業利益95%減、日本での事業は3月に中止(JaIR編集部)

https://jair.report/article/410/

 

【マカオ】香港からのマカオ到着者に対しウイルス検査規制を厳格化

Macau tightens virus test rules for arrivals from HK

http://www.ggrasia.com/macau-tightens-virus-test-rules-for-arrivals-from-hk/

マカオの保健局は香港の近隣都市からのすべての到着者の入国要件を強化する。8月4からの効力を持つ新しい要件では、香港からの入国者は、以前のように7日以内ではなく、72時間以内に受けたCovid-19陰性の証明書を持っていなければならない。香港では、7月28日から8月3日までの7日間に1日平均115.9件の感染が報告されている。

 

 

【マカオ】MGMチャイナ、第2四半期95%減

MGM CHINA REPORTS 95% REVENUE DECLINE IN SECOND QUARTER

https://macaudailytimes.com.mo/mgm-china-reports-95-revenue-decline-in-second-quarter.html

 

カジノオペレーターMGMチャイナは、第2四半期の純収益が95%減少したと報告した。

マカオへの旅行や入国規制が続いているため、純収益は3,320万ドル(約35億円)にとどまったことを、香港証券取引所への報告書で述べている。EBITDAR (利子、課税、減価償却費および賃貸料) は前年の第二四半期1億7,300万ドル(約183億円)利益と比較し1億1,600万ドル(約123億円)の損失となった。

 

また、報告書によると、第2四半期はVIPセグメントとマスマーケットセグメントの両方は苦戦し、前者は前年同期比96%減、後者は97%減となった。

 

 

【日本】パルトゥーシュがオシドリとの提携を解消し、長崎カジノへの取り組みを終了

 

Partouche ends tie with Oshidori for Nagasaki casino effort

http://www.ggrasia.com/partouche-ends-tie-with-oshidori-for-nagasaki-casino-effort/

 

フランスのカジノ運営会社パルトゥーシュは日本のカジノ参入に意欲的である香港に上場するオシドリ・インターナショナル・ホールディングスとの提携を解消した。パルトゥーシュはコメントで「IRの開発プロジェクトの進化に気を払い、その1 つとして参加する機会に興味を持っている」と述べた。契約終了の理由や契約内容の詳細については一切触れられていない。

■関連記事

パルトゥーシュ・グループ、長崎IRでのオシドリとの提携終了を事後発表(JaIR編集部)

https://jair.report/article/405/

2020年8月3日(月)

【アメリカ】AGA、国へ「ゲーム業界への最大の支援」を呼びかける

AGA calls for “greatest assistance to the gaming industry”

https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/08/03/54153-aga-calls-for-greatest-assistance-to-the-gaming-industry

 

 米国ゲーミング協会(AGA)のCEOビル・ミラー氏は、HEALS法(アメリカの景気刺激策)について、事業者への賠償責任保護や、ゲーミング市場に対する支援の重要な条項が含まれていることを認識していると言及した上で、従業員の雇用維持、一般事業、PPEの税額控除、旅行・観光産業の再開を目標とした条項を盛り込むことを議会に求めた。


【マカオ】マカオのカジノ収益は4ヶ月連続で90%を超える下落

Macau casino revenue fall tops 90% for 4th straight month

https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/08/03/54159-macau-casino-revenue-fall-tops-90por_ciento-for-4th-straight-month

 

マカオの7月の総ゲーミング収入は約1億6,800万米ドル(約178億円)で、前年比94.5%減となった。マカオのゲーミング収入(GGR)は4ヶ月連続で90%以上も急落している。ブルームバーグによると、アナリスト予想の中央値である95%減と一致しており、記録的な6月の97%減という数字に続いた。

なお、ゲーミング収入は10ヶ月連続で減少となり、中国経済の弱体化の逆風の影響も受けている。アナリストたちは今、中国が8月か9月にマカオへの観光ビザ発行を再開し、完全に開放することを期待している。

 

 

【日本】ウィン 日本の横浜営業所を閉鎖、IR市場への関心を維持

 

Wynn closes Yokohama office, remains interested in IR market

https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/08/03/54167-wynn-closes-yokohama-office-remains-interested-in-ir-market

 

ウィン・リゾーツは、日本でのカジノライセンス計画の遅れに伴い、横浜オフィスを閉鎖したと述べたが、同社はこのプロジェクトに引き続き興味を持っていると付け加えた。コメントでは「パンデミックは統合型リゾート開発にかつてないほどの影響を及ぼしており、ウィンのようなリゾート企業はパンデミック後の市場に合わせ、どのように事業を進化させていくかを検討している」「長期的には、日本の統合型リゾート市場に引き続き関心を持ち、状況を注視していく」と述べた。

 

■関連記事

ウィン・リゾーツ横浜事務所を閉鎖、日本IRには引き続き関心(JaIR編集部)

https://jair.report/article/407/

 

【マカオ】株式公開後、スタジオ・シティのメルコ株は微上昇

Melco stake in Studio City slightly up after share offer

http://www.ggrasia.com/melco-stake-in-studio-city-slightly-up-after-share-offer/

スタジオ・シティの最大株主であるマカオのメルコリゾーツは、総額2億8,080万ドル(約297億円)を出資することで合意した。メルコインターナショナル・デベロップメントは、メルコリゾーツのスタジオシティインターナショナルへの出資比率を54.1%から54.7%に引き上げたことを発表した。          

 

なお、非公開オファーにより、スタジオ・シティ・インターナショナルは5億ドル(約530億円)の総収入を調達している。カジノリゾートの第2段階の開発と一般的な企業目的に使用するとコメントしている。

 

 

 2020年8月1日(土)

 

【マカオ】7月のマカオカジノGGRは前月比88%増:政府

 

Macau casino GGR up 88pct sequentially in July: govt

http://www.ggrasia.com/macau-casino-ggr-up-88pct-sequentially-in-july-govt/

 

マカオゲーミング検査調整局(DICJ)によると、7月のマカオカジノ総ゲーミング収入(GGR)は前年同月比94.5%減の13.4億マカオパタカ(約178億円)で、今年の6月からは87%増となった。なお、マカオ市場の2020年7ヶ月間におけるGGRは350.6億マカオパタカ(約4,664億円)となり、前年同期比79.8%減の数字となる。

 

JPモルガン社のアナリストは「7月15日に始まったマカオ-広東の緩和は、観光ビザ(IVSまたはパッケージツアー)の発行が未だに停止されている一方で、ビジネス許可証(筋金入りのハイエンドプレイヤーが利用できる)の手配・発行も3~5週間かかる、ゲーム需要にはほとんど恩恵はない」という。マカオと香港間の旅行は、引き続き片道14日間の検疫期間が設けられている。香港政府はこの検疫ルールの終了期限を9月7日まで延長したと発表した。

 

 

2020年7月31日(金)

 

【マカオ】MGM(チャイナ)、第2四半期はコロナウイルス関連の閉鎖により91%減

 

MGM reports 91% drop in revenue in Q2 due to coronavirus-related closures

https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/07/31/54146-mgm-reports-91por_ciento-drop-in-revenue-in-q2-due-to-coronavirus-related-closures

 

マカオのMGMチャイナは第2四半期の純収入について、前年比95.3%減と報告。

純収益は前年同期の7億6,610万米ドル(約806億円)弱に対し、3,320万ドル(約35億)に満たないほどに減少した。不動産EBITDARは、2019年第2四半期の1億7,280万ドル(約183億円)のプラスと比較して、1億1,630万ドル(約123億円)のマイナスとなった。

 

同社はマカオ半島にあるMGMマカオと、コタイ地区にあるMGMコタイの2つのカジノリゾートを運営している。四半期の総収入は、MGMマカオは前年比95.4%減の1.39億香港ドル(約19億円)、MGMコタイは前年比95.3%減の1億1700万香港ドル(約16億円)と報じられた。

 

マカオの第2四半期の業績は、マカオ市場のゲーミング収入(GGR)が「国境と旅行規制」の影響で「96%減少し、訪問者数が100%近く減少」したことを背景にしたものであると、親会社であるMGMリゾーツは決算説明会で言及している。

 

 

【ラスベガス】CES 2021はオールデジタル

 

CES 2021 Is All-Digital

https://www.ces.tech/

毎年ネバダ州ラスベガスで開催される恒例の電子機器の見本市「CES」は来年のオンライン開催を決定した。「Covid-19蔓延に際し、世界的な健康への懸念が高まる中、2021年1月初旬にラスベガスで何万人もの人々を安全に招集し、直接会ってビジネスを行うことは不可能である」との見解をリリースに添え「CES2021は、すべてのデジタル体験を提供する」と発表している。




【ラスベガス】「ラスベガスはさらなる痛みに見舞われている」ラスベガス・サンズ社長
 
“Las Vegas is in for some more pain,” Las Vegas Sands president says
https://www.yogonet.com/international/noticias/2020/07/31/54149-las-vegas-is-in-for-some-more-pain-las-vegas-sands-president-says
 
ラスベガス・サンズのロバート・ゴールドスタイン社長はテレビ局CNBCとのインタビューでCovid-19の影響が続く中、「ラスベガス・サンズは経済的に苦戦を続けるだろう」と述べた。
 
同氏はCESのオンライン開催について「痛々しい短期間」と語り、「ラスベガスは、どこからどう見ても大規模な都市です。15万室のホテルの部屋、大規模なコンベンション、大規模な宴会。大規模というのはラスベガスのための言葉で、この環境でいるのは容易ではない」と述べた。

また、「ラスベガスは、特に飛行機で訪れる旅行者の観光に依存する目的地の都市です。ラスベガスが有意義に回復するためには、Covid-19を防ぐワクチンか、このウイルスに対して認識を変える何か、が必要だ」「そして、それが短期的に起こるとは思えません」と、インタビューに答えた。

 

 

【マカオ】マカオ回復の鍵を握る 2週間毎のスモールステップ

Small steps fortnightly key to Macau rebound: Jefferies

http://www.ggrasia.com/small-steps-fortnightly-key-to-macau-rebound-jefferies/

 

香港を拠点とするジェフリーズ社のアナリストのリー氏は、「マカオの回復は依然としてIVS(個人訪問スキーム)に依存しているが、これは各省内の中国都市ごとに、段階的に発行される形となると予想される」と述べた。

 

マカオに関連する旅行緩和の面で、中国当局は「2週間ごとの小さなステップ」が必要であるとコメントしている。同氏は2019年と2020年上半期の「中国本土からマカオへの訪問者」のうち、広東省が「46%」と「55%」を占め、「2019年と2020年上半期の広東省からの訪問者」のうち、IVSを利用しているのは「73%」と「69%」であることから、広東省が「鍵を握っている」と付け加えた。

 

 

【マカオ】中国の大半の省がマカオへの非観光ビザ発行を再開

MORE MAINLAND PROVINCES RESUME NON-TOURISM VISAS TO MACAU

https://macaudailytimes.com.mo/more-mainland-provinces-resume-non-tourism-visas-to-macau.html

中国本土で発行されるビザは、G(個人訪問ビザ)、L(団体旅行ビザ)、T(親族訪問ビザ)、S(ビジネス目的)、D(就学・就労ビザ)、Q(その他の目的)の6種類がある。G許可証とL許可証は「観光ビザ」である。7月15日から、広東省は、S許可証(ビジネス許可証)またはD許可証(労働者や学生に発行される滞在許可証)を必要とする本土住民を対象に、マカオ特別行政区への旅行許可証サービスの発行を再開した。

報道によると、8月12日から、本土各省の居住者は、後者のマカオへの留学、マカオでの就労、マカオでのビジネスの許可書を申請することができるという。

 

 

【イギリス】英国カジノ 8月15日まで再開を延期

 

UK casinos forced to delay reopening until Aug. 15 “at the earliest”

https://calvinayre.com/2020/07/31/casino/uk-casinos-delay-reopening-aug-15-coronavirus/

 

イギリスのボリス・ジョンソン首相は、過去1ヶ月間のCovid-19感染率上昇を防く国の施策の中で、8月1日にカジノを再開する計画は「少なくとも」2週間延期されると発表した。

 

著者: ” — jair.report

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ゲーム業界ニュース

Opinion3䤬⤹Ȥ顤ʤΤ –

Mine Sasaki

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Opinion

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著者: “jp.gamesindustry.biz編集部 — jp.gamesindustry.biz

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