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初の公式大会で8人のプロが誕生した「RAGE GBVS 2020 SUMMER」 – 岡安学の「eスポーツ観戦記」(36)

Mine Sasaki

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2020年6月20日、eスポーツイベント「RAGE GBVS 2020 SUMMER」のオフライン決勝大会「GRAND FINALS」が開催されました。

「RAGE GBVS 2020 SUMMER」は対戦格闘ゲーム『グランブルーファンタジー ヴァーサス(GBVS)』初の公式大会。GRAND FINALSまで出場した8名は、JeSU発行のプロライセンスを取得できます。

大会は5月7日にエントリーを開始。5月30、31日のオンライン予選を経て、24名まで絞られます。そして、6月6日のオフライン最終予選「SEMI FINALS」を勝ち抜いた8名が「GRAND FINALS」に進出します。優勝賞金300万円、賞金総額500万円の高額賞金大会で、その賞金額から大会の規模が推し量れるでしょう。

コロナ禍により無観客試合でしたが、豪華ゲストが大会に彩りを添え、記念すべき『GBVS』の初の公式戦として盛り立てていました。

キャラと選手の個性が光るGBVSのeスポーツシーン

『GBVS』は、今年2月にリリースされたばかりのタイトルにもかかわらず、『ギルティギア』シリーズや『ドラゴンボール ファイターズ』などの対戦格闘ゲームを手がける「アークシステムワークス」が開発したこともあり、多方面から注目を集めているタイトル。『ストリートファイターV』のプロ選手であるマゴ選手や板橋ザンギエフ選手、藤村選手などが力を入れてプレイしており、対戦格闘ゲーム界においてもかなり注目されています。

「RAGE GBVS」は、対戦格闘ゲームでお馴染みのダブルエリミネーション方式(2敗負け抜け)を採用しており、GRAND FINALS進出時点でウイナーズサイド(無敗)4名とルーザーズサイド(1敗)4名に分かれます。

優勝をかけたグランドファイナルでは、ウイナーズからもっちー選手、ルーザーズサイドからはgamera選手が進出。もっちー選手の使うキャラクター「フェリ」との相性を考え、gamera選手はこれまで使っていた「ジータ」から「カタリナ」にキャラクターを変更して挑みます。

キャラ替えが功を奏したのか、gamera選手はいきなり2本を先取。リセット(ウイナーズサイドの選手が1敗して、アドバンテージがなくなること)目前に迫りますが、そこから怒濤の対応力を見せたもっちー選手が逆3タテを決め、初代チャンピオンに輝きました。

今回、GRAND FINALSに進出した8名は、すべて違うキャラクターを使用していました。キャラクターに個性が出る対戦格闘ゲームの場合、バランス調整が難しく、どうしても強いキャラクターに偏りがちになります。

『GBVS』も当然キャラクター差はありますが、これだけバラけたのは、各選手が、常套の戦略だけでなく、研究成果により独自の戦いかたを構築できた結果ではないでしょうか。

また、『グランブルーファンタジー』は、もともとスマートフォン向けのRPGです。『GBVS』は、そのなかに登場するキャラクターを使った対戦格闘ゲーム。スマホアプリから継承されたキャラクターの魅力が、使用キャラの選択肢に幅を持たせているといえそうです。

さらに、独特の雰囲気を醸し出すgamera選手や芸人泣かせのトーク力を誇る小路KOG選手、対戦格闘ゲームのレジェンドのI-yo選手など、キャラクター以上に、個性の光る選手がそろっていたことからも、『GBVS』のeスポーツシーンは期待が持てそうだと感じました。

夏の対戦格闘ゲームイベントの「EVO 2020」は、残念ながらコロナ禍でオンラインでの開催となりましたが、『GBVS』は正式タイトルとして選出されています。プロになった8人やまだ見ぬ強豪が、熱い戦いを見せてくれると思いますので、楽しみにしたいところです。

ファイナリスト8名に大会の感想を聞いた

今回、GRAND FINALSに進出した8名に、プロライセンスを取得した感想と今回のRAGEの感想を聞いてきました。また、優勝したもっちー選手には、初代王者になった感想と今後の活動についても聞きました。

もっちー選手(大会順位:優勝)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

もっちー選手:まさか自分自身が格闘ゲームのプロライセンスを取得する日がくるとは……、という気持ちです。

20年近く格闘ゲームをプレイしているのですが、格闘ゲームのプロライセンスが発行されること自体、以前は考えたこともありませんでした。こういった取り組みが、格闘ゲーム業界の盛り上がりにつながれば、最高だと思います。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

もっちー選手:RAGEで優勝することは1つの目標だったので、優勝できたことは大変うれしく思います。

また、GBVSの発売当初からやり込み続けたことが最高の結果に結びついて、格闘ゲーマーとしての自信になりました。

ただ、反省点もあるので、今回の結果に慢心することなく、プレイヤーとしてもっと成長していければと思っています。

――初代王者になった感想は?

もっちー選手:うれしいのひと言ですね。第2回があればぜひ参加したいです。そのときは連覇を狙います。

――プロとして今後はどのような活動をしていきたいですか?

もっちー選手:まだまだ構想段階ですが、プレイヤーの助けになるような攻略系の動画を作っていきたいです。自分の得た経験や知識を人の役に立てられればと思っています。

プレイヤーとしては、GBVSはこれからもまだまだ対戦レベルが上がっていくと思いますので、それに負けないように日々精進していきたいです。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    もっちー選手

gamera選手(大会順位:準優勝)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

gamera選手:何かもらった。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

gamera選手:勝ちたかった。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    gamera選手

バギー選手(大会順位:3位)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

バギー選手:「実感がない」というのが正直な感想です。RAGEに出場したのも自分の実力を確かめてみたいからで、プロライセンスのことは考えていませんでした。

今後はプロライセンスを持つのにふさわしい結果を残せるように頑張っていきたいです。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

バギー選手:プロの選手や僕よりも強い選手が多くいたため、最初は「セミファイナルまで行けたらラッキー」くらいに思っていました。それほど今回のRAGEはレベルが高く、そのなかで3位という結果を残せたのはとてもうれしいです。

大舞台で格闘ゲームするのは初めてだったため、「GRAND FINALS」の初戦は人生で1番緊張したかもしれません。

また、現場の雰囲気がとても新鮮で、ゲーム以外の部分も楽しめました。この楽しさをまた味わうために、次回も結果を残せるように頑張ります。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    バギー選手

I-yo選手(大会順位:4位)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

I-yo選手:まだ取得した段階に過ぎないですが、プロライセンスの社会的価値向上に貢献できるような活動を、自分なりに考えたいと思っています。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

I-yo選手:試合と関係のない個人的感想ですが、最も印象に残ったのは、ひと昔前と比べて圧倒的に多くの人達がゲーム大会の運営に関わっていることです。

ゲームというコンテンツもここまできたんだなと感心するとともに、プレイヤーとして終始お世話になったことに大変感謝しています。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    I-yo選手

覇者ラガ選手(大会順位:5位タイ)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

覇者ラガ選手:大会終了直後は実感がわかなかったのですが、現在は大好きなタイトルでライセンスを取得できたことに感動を覚えています。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

覇者ラガ選手:長期のイベントは初めてだったので、いい経験ができました。

試合についてはあまり満足のいく動きができなかったので、悔いが残っていますが、大会以外でのパフォーマンスについては、みなさんに喜んでいただけたようなのでとても満足しています!

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    覇者ラガ選手

小路KOG選手(大会順位:5位タイ)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

小路KOG選手:世界初で唯一のライセンス2枚持ち(『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』と『GBVS』)ということで、非常にうれしいです!

マルチにさまざまなゲームをできるのが自分の強みだと思っているので、今後もライセンス獲得を目指したいですね!

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

小路KOG選手:国内で珍しい、高額賞金のオープントーナメントということで、めちゃくちゃ盛り上がってました!

自分もファイナルまでいけてうれしかったです! できればほかタイトルのように、ワンシーズンごとの大会があればモチベーションも維持できますので、次回開催を心よりお待ちしております!

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    小路KOG選手

Ren選手(大会順位:7位タイ)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

Ren選手:とてもうれしいです! 『GBVS』プロライセンスは今回が初の発行で、まだ世界に8人しかライセンス保有者がいないため、特別感がハンパないです。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

Ren選手:予選から「SEMI FINALS」「GRAND FINALS」と、どの試合も気が抜けないものばかりで、とても厳しい大会でした。

ただ、技術面やメンタル面はかなりレベルアップしたと思いますし、終わったあとは「あぁ〜また参加したいなぁ」と思える大会でした。

次のRAGEが開催されたら次こそは「優勝」奪いに行きます!

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    Ren選手

おんせん選手(大会順位:7位タイ)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

おんせん選手:あまり実感はありませんが、実力が認められたようでうれしいです。ライセンスが届いたらとりあえず写真を撮ろうと思います。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

おんせん選手:今までにない経験ばかりで、最初から最後まで楽しむことができました。交流も広がり、まだまだこのゲームを楽しめそうです。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    おんせん選手

(C) Cygames, Inc. Developed by ARC SYSTEM WORKS



著者: ” — news.mynavi.jp

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ボーンデジタルから「ゴットフリード・バメスの美術解剖学 コンプリート・ガイド」発売 –

Mine Sasaki

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ボーンデジタルから「ゴットフリード・バメスの美術解剖学 コンプリート・ガイド」発売

 ボーンデジタルは2020年7月下旬に「ゴットフリード・バメスの美術解剖学 コンプリート・ガイド」を発売する(Amazonでは7月31日発売予定)。価格は1万780円(税込)。

 ゴッドフリート・バメスの美術解剖学は,この分野で知られた名著であり,人体の構造的な図版を1200点以上収録した書籍である。2Dでも3Dでも人体の骨格と筋肉を意識してデザインすることは,キャラクターに説得力をもたらし,動きのリアリティにも関連してくる。人体構造に関しての基本を学ぶうえでは貴重な書籍と言えるだろう。

世界中のアーティストに多大な影響を与えてきた、美術解剖学書の決定版。『ゴットフリード・バメスの美術解剖学』刊行のお知らせ

株式会社ボーンデジタル(東京都千代田区、代表取締役 村上 徹)は、書籍『ゴットフリード・バメスの美術解剖学 コンプリート・ガイド』を全国の書店を通じて刊行します。

【概要】
書籍名:ゴットフリード・バメスの美術解剖学 コンプリート・ガイド
刊行予定日:2020年7月下旬
著者:ゴットフリード・バメス
定価:本体9,800円 + 税
ISBN:978-4-86246-424-8
サイズ:A4変形版(213 × 303 mm)
ページ数:508ページ
発行:株式会社ボーンデジタル

【書籍内容紹介】
世界中のアーティストに愛され、美術解剖学をけん引してきた
美術解剖学教育のレジェンド、ゴットフリード・バメスによる完全ガイド

1200点を超える図版!

*事実を分かりやすく伝える図版
*知識と実技の関係を確認する学生による作例
*個性ある生体を観察するポイントを知る写真
*美術による表現を学ぶ巨匠作品の例
豊富なビジュアル資料で人体の仕組みを知り、作品に生かす方法を探ります。

ボーンデジタルから「ゴットフリード・バメスの美術解剖学 コンプリート・ガイド」発売

美術解剖学の歴史、美術表現に与えた影響を探る章にはじまり、プロポーション、姿勢と運動、可塑的な構成要素といったトピックで、全身をどのような観点をもって観察すればよいかの理解を深めます。

5章以降は、下肢、体幹、上肢、頭部と全身の骨と筋について、まんべんなく学びます。

現代の美術解剖学の基礎を築き、発展させ、自ら教鞭をとってきたバメス氏の教えから、人体の解剖学的構成を詳しく知ると同時に、その知識を美術として生かす方法を学ぶことができます。

本書は「Die Gestalt des Menschen. Lehr- und Handbuch der Kuenstleranatomie」(Christophorus Verlag GmbH & Co. KG)の日本語訳です。

【著者について】
ゴットフリード・バメス(Gottfried Bammes)
1920年にドイツ フライタールに生まれる。
ドレスデン美術大学 美術解剖学正教授(2002年8月当時)。
著作家、アーティスト、人体や動物の描画と解剖学の巨匠であり、一生を通じて美術解剖学に関する数多くの書籍を執筆した。

【概要目次】
第1章 美術解剖学:過去と現在
第2章 人体のプロポーション
第3章 人体の姿勢と運動:静力学と動力学の基礎
第4章 人体の可塑的な構成要素
第5章 下肢
第6章 体幹の骨格
第7章 体幹の筋
第8章 上肢
第9章 頚部
第10章 頭部

書籍紹介ページURL:
https://www.borndigital.co.jp/book/18993.html

Amazon URL:
https://www.amazon.co.jp/dp/4862464246/

【会社概要】
株式会社ボーンデジタル
http://www.borndigital.co.jp/



著者: “jp.gamesindustry.biz編集部 — jp.gamesindustry.biz

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ランジェリー業界のゲームチェンジャーvol.3 ラジオやブログでランジェリーの魅力を語りファンを増やすラ グット シュクレの太田まゆみ(WWD JAPAN.com) –

Mine Sasaki

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下着業界はファッション業界に比べるとメディア露出が少なく、またサイズの展開が多いため、在庫管理が複雑、生産工程で使用する資材が多い、生産ロットが大きいなどの理由から新規参入が難しいといわれてきた。大手の下着メーカーおよびアパレルメーカーによる市場の寡占によって、なかなか新陳代謝が進まない印象だったが、ここ数年、D2Cブランドが増加している。また、異業種からのデザイナー転身やSNSを通じたコミュニティーの活性化など、下着業界では30代の女性を中心に新たなムーブメントが起こっている。下着業界に新風を吹き込むゲームチェンジャーらにインタビューし、業界の今、そして今後の行方を探る。

【画像】ランジェリー業界のゲームチェンジャーvol.3 ラジオやブログでランジェリーの魅力を語りファンを増やすラ グット シュクレの太田まゆみ

連載の第3回に登場するのは、太田まゆみ・ラ グット シュクレ(LA GOUTTE SUCREE)代表だ。ブログをきっかけにスタートさせたオンラインショップはファッション性を重視したブランドのセレクトに定評があり、商品の背景にあるストーリーと世界観を語り、消費者に夢を与えるランジェリーセレクトショップとしてファンを増やし続けている。オープン以来、インポートランジェリーを中心に展開していたが、昨今は日本のブランドの取り扱いにも力を入れている。

――ランジェリーのオンラインショップを始めようと思ったきっかけは?

太田まゆみラ グット シュクレ代表(以下、太田):フランス発「オーバドゥ(AUBADE)」を初めて着けたときの感動からです。確か2005年にパッドのない一枚レースのハーフカップとタンガ(Tバック)を着けたのですが、天地がひっくり返るような衝撃でした。コンプレックスだった自分の体がものすごく魅力的に見えたし、着け心地はまるで羽根のような軽さ。それからインポートランジェリーに魅了され、コレクターのように買い集めて眺めてはうっとりし、一人でファッションショーをして楽しんでいました(笑)。インポートランジェリーの魅力をオタク的にブログで語り始めたところ、それを読んでランジェリーに目覚めたという声があり、「この感動をもっとシェアしたい」という思いからオンラインショップを始めました。こんなにも美しく、それぞれにストーリーがあるのに、それを表現しているオンラインショップがない。これではランジェリーがかわいそうだと思ったのも理由の一つです。

著者: ” — news.yahoo.co.jp

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Opinoin:ソニーはクロスジェネレーションゲームで躓く可能性がある? –

Mine Sasaki

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ソニーがPS4後期のヒット作のPS5版に課金しようとしたならば,Microsoftの消費者に優しい戦略との比較は厳しいものになるだろう。

 今年の次世代機の発売は,業界がこれまで見てきた中で最も興味深いハードウェアの変遷の1つになりそうだ。それは,ハード自体に革命的な特徴があるからではなく,単に,業界の将来についてまったく異なる考えを持つ2つの素晴らしい外観を持ち,完全に実行可能なシステムが,互いに真っ向からぶつかり合うのは,久しぶりだからだ。ソニーとMicrosoftが次世代機の発売に向けて準備を進めている中で,任天堂のSwitchは商業的にも創造的にも非常に良い状態にあることを考慮すると,事実上3者の戦いになるだろう。

 PlayStation 5とXbox Series Xの将来のビジョンには異なる部分がいくつかあり,両社の計画の重要な詳細はまだ明らかにされていない。過去2回の世代交代に至るまでのプロセスの中では,だいたいこの時点までにそれぞれがなにか失態をやらかしていたのだが,この時点で両社がまだ自分たちの靴ひもに躓いていないことは注目に値する。これは新鮮ではあるが,失態を犯すための時間はまだ十分にある。

 まだ発表されていない詳細のなかで今後反動を呼びそうなものがが1つあるとすれば,それはおそらく価格設定であろう。一方の会社の提供するものが他方の会社よりもはるかに高価であることは,実際には非常に苦しいスタートを与えることになるだろう。しかし,別の分野で障害となりそうなものにクロスジェネレーションタイトルがどのように扱われるかがある。Microsoftを中心にいくつかの情報が出ているものの(関連英文記事),まだ見落としている重要な詳細がいくつかあり,ストーリーではヒーローになる予定だった企業が,悪役として突然登場してしまう可能性も十分にある。

PS4が発売された最初の年は,PS3の後期のゲームからアップグレードされたタイトルが多かった

 クロスジェネレーションタイトルは,PlayStation 2以降の移行期にも多く見られたが,Xbox 360世代からPS4世代への移行期には,クロスジェネレーションタイトルの存在が非常に大きくなった。開発スケジュールの都合なのか,あるいは単純な商業的なインセンティブのせいなのか,現行世代では,PS4発売後1年目のアーリーアダプターの体験の大半は,PS3後期のゲームをアップグレードしたタイトルで占められていたのだ。同じシナリオが2021年にも展開される可能性がある。できれば新ハードの可能性を最大限に活用した独占タイトルに力を入れたいところだが,現実にはPS5やXSXで発売される初期の大作タイトルの多くは,お馴染みの人気タイトルのアップグレード版となるだろう。

 そうなると,当然ながら2つの利害が対立することになるが,どちらの利害も正当なものである。つまり,新しいハードで遊ぶために同じゲームを買い直したくないという消費者と,次世代機の独占タイトルを揃えつつも,その後も継続して再販で収益を上げたいというパブリッシャだ。

 プラットフォームホルダーは,既存のゲームをより高品質でプレイできるという魅力によって,消費者が次世代ハードを購入する動機付けになることを望んでいるが,パブリッシャを可能な限り満足させておく必要もあり,その中間である程度行き詰っている。もちろん,ソニーのようにプラットフォームを所有しているだけでなく,自社プラットフォームの最大手パブリッシャの1社でもある企業にとっては,この状況は二重に複雑なものとなるだろう。

Microsoftは,UbisoftやCD Projekt Redのような企業に,無料のSmart Deliveryアップグレードイニシアチブにサインアップしてもらうことに成功している
Opinoin:ソニーはクロスジェネレーションゲームで躓く可能性がある?

 この利害の対立は目新しいものではないが,我々が経験しようとしている世代交代に特有の要因により,かなり悪化している。これは,発売の時点から本当に高度な下位互換性を持つ最初の世代交代になるだろう。ソニーのアプローチについてはまだ最終的な確認が取れていないが,今のところ,既存の両機の主要タイトルのほとんどは,後継機でも問題なく動作すると思われる(※最近のゲームならほぼブーストモードで動くとされている)。Xbox Series Xでは,既存のXbox Oneタイトルを新しい家庭用ゲーム機で動作させるだけで,かなり重要なグラフィックス忠実度のアップグレードが約束されている(※高解像度,高フレームレート,そしてHDR化される)。

これは,発売直後からすぐに下位互換性の本当に高度な最初の世代交代になるだろう

 これは明らかにクロスジェネレーションのリリースに関する計算が変わってくる。次世代版でのアップグレードが極めて重要なものでない限り,すでに所有していて同じ(※新型)ハードでプレイできるゲームに再びお金を払うことをユーザーに求めることを正当化するのは難しいだろう。これまでのいくつかの世代の飛躍では,次世代タイトルのグラフィックスの忠実度とアセットの質の向上が,提供されるコンテンツの量の減少によって相殺されていたことを考えると,これはさらに問題になる。これまでのゲームの多くは,旧ハード後期世代のゲームの豪華さに比べて,初期の次世代機での提供は大幅に削減されている。古いゲームが新しいゲーム機で完璧に遊べるようになっても,それを正当化するのは難しいだろう。

 このような問題に対処し,消費者の状況を明確にするために,さまざまなアプローチが提案されている。MicrosoftのSmart Deliveryは,消費者の立場からすると,間違いなく最も有望で分かりやすいものだ。このプログラムに加入しているゲームはすべてデュアルプラットフォームなので,Xbox OneのユーザーがXSXにアップグレードすると,ゲームの進行状況などはすべてそのままに,シームレスに次世代バージョンにアップグレードされる。

 消費者にとっては理想的なサービスではあるが,一部のパブリッシャは明らかにSmart Deliveryにはあまり熱心ではない。EAは,XSXとPS5の両方で動作する「デュアルエンタイトルメント」と呼ばれる独自のバージョンのシステムを使用して同様のことを行うことを発表した(関連英文記事)。一方,2K GamesはNBA 2K21をシングルゲーム版よりも大幅に高額だが,現行版と次世代版の両方を含む2つのゲームパッケージで発売すると発表している(関連英文記事)。―これは世代間で移動するユーザーにある程度の割引を与えるが,世代間の収益を完全に排除することを拒否する中間地点を選択したものだ。

Microsoftはファーストパーティタイトルに対する立場を明確にしている。すべてスマートデリバリーのゲームだ

 それがどのように展開されるのかは,ちょっと分かりづらい。「コアな」タイトルには通用しないかもしれないが,スポーツタイトルにはある程度独自のビジネスロジックがあるという議論は受け入れられる。しかし,2Kはゲームの両バージョンだけでなく,そのエディションにも多くの追加コンテンツを同梱していることは注目に値し,「次世代版を手に入れるためにはもうちょっとお金を払う」よりも,もう少し良い価値を提案しなければならないことを明確に理解している。

 EAと2Kが取った多様なアプローチから明らかなように,MicrosoftはXboxタイトル全体に包括的なポリシーとしてSmart Deliveryを適用するわけではないが,パブリッシャがクロスジェネレーションゲームのために独自のアイデアを実装するためにどのくらいの自由度を持っているかの詳細は,まだ少しずつ明らかにされている。たとえば,次世代機のアップグレードをDLCとして販売することは禁止されているようだが,前世代機の所有者にはストアディスカウントを提供することは問題ないだろう。しかし,大体のところ,我々はMicrosoftが何をしているかを知っている。何よりも重要なのは,ファーストパーティタイトルに対する立場を明確にしたことだ。これらのタイトルはすべて,両世代のハードウェアで動作するスマートデリバリーゲームである。

2KがNBA 2K21の2つのバージョンのパッケージ販売を決定したことは,パブリッシャの中には,PS4とXbox Oneの次世代バージョンのゲームを収益化したいと考えている人もいることを示唆している
Opinoin:ソニーはクロスジェネレーションゲームで躓く可能性がある?

 ソニーの立場はあまり明確ではないが,ある程度単純に,この点に関してはパブリッシャに対してあまりルールを設けていないように見える。ソニーはSmart Deliveryのようなプログラムを持っておらず,基本的にはパブリッシャがクロスジェネレーションのゲームをどうするかは,パブリッシャに委ねられている(関連英文記事)。しかし,Smart Deliveryの実際の技術的な側面は,一度購入したゲームを持てば各世代のハードウェアで適切なバージョンをプレイできるという点では,ソニーのプラットフォームでも可能のように見える。それは単に,同社がこういったものをブランド化したり,パブリッシャにそれを採用するようにプッシュしていないということだ。

まず何よりも,クロスジェネレーションタイトルに関するソニーのファーストパーティポリシーがどのようなものになるのかを確認する必要がある

 消費者の立場からすると,これは少し残念なことだが,最終的には効果は同じかもしれない。MicrosoftはSmart Deliveryを推進しているが,パブリッシャがOpt-Outできるようにしており,ソニーはそれに相当するものは何も推進していないが,パブリッシャは望むならばそのアプローチを取ることができる。Xbox Series Xで無料アップグレードを提供しているパブリッシャが,PS5で同等のアップグレードのために課金しようとする可能性は低いので,結果としてはおそらく中間地点で一致するだろう。

 このパズルの中で大きな欠落しているのは,ソニーが自社のファーストパーティタイトルの戦略をどうするかということだ。まだ何も発表されていないが,PS5版のThe Last of Us 2 や Ghost of Tsushimaがないとは思えない。後期型の大作は次世代ハードでもプレイできるようにしてほしいところだ。数百万円規模の問題は,既存のPS4のゲームを持っている人に無料でクロスジェネレーションのアップグレード版を提供するのか,それとも新バージョンとして販売するのかという点だ。もちろん,ソニー社内では最終的な決定はしていないかもしれない。前回の移行時にThe Last of Us のようなアップグレード版の販売で大成功を収めたソニーは,最近のヒット作のPS5版を販売することで,それを繰り返したいと考えているのは間違いないが,Microsoftがクロスジェネレーションタイトルのアップグレードをすべて無料にするという決定をしたことで,世間の認識という点で非常に厄介な立場に置かれていることも認識しているだろう。

 Spider-Man: Miles Moralesが,PS4で大人気の大ヒット作の拡張版を箱に入れて,PS5の独占版として少しお得な価格で販売するというのは面白いアプローチだ。とくに最初から次世代機へのアップグレードを念頭に置いてアセットやコードが作成されている場合は,低価格での購入を正当化するために十分な新しいコンテンツを追加することは,PS5のアップグレード版を発売するほど簡単ではない。しかし,消費者の立場からすると,すでにプレイしたゲームのグラフィックスを改善したバージョンを売ろうとするよりも,ずっと気楽なものだ。もちろん,このアプローチが他のゲームにどれだけ通用するかは,まったく別の問題である。

 最後に,ソニーの状況は,PS5のデジタル版が存在することでさらに複雑になっており(関連記事),PS4タイトルの物理版からのアップグレードに問題が生じている。EAはすでにこの問題に直面しており,PS5のデジタル版所有者に「デュアルエンタイトルメント」を提供することはできない。これは,PS5版を起動する権利があるかどうかをの確認が,PS4ディスクがドライブに入っているかどうかに依存しているからだ。これはかなり厳しい制限であり,影響を受けるユーザー数は少ないものの,PS4のゲームを大量に持っているならば,PS5のディスク版を購入してバックカタログのタイトルをプレイすることになるだろう。とはいえ,一部のユーザーを置き去りにしないために,ソニーがその場しのぎのシステムを作るというのは,激しい議論になるだろう。

 それを実現するために,物理的なゲームと一緒にシングルユースのデジタルコードを配布するシステムを作るのではないだろうか? ― しかし,それは「先手必勝」ではないだろうか。まずは,ソニーのファーストパーティポリシーがどのようなものになるのかを見てみたい。もしそれがMicrosoftの消費者に優しいアプローチからあまりにも大きく逸脱したものであれば,今回の次世代機レースにおいて両社で初めての本格的な躓きを経験することになるかもしれない。

※本記事はGamesIndustry.bizとのライセンス契約のもとで翻訳されています(元記事はこちら



著者: “jp.gamesindustry.biz編集部 — jp.gamesindustry.biz

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