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LoLもクラロワも,実は1社が持っている。世界第2位のゲーム会社テンセントは,いまよりもっとゲームが社会と一体化していく未来を目指す

Mine Sasaki

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 いささか古い話で恐縮だが,2020年6月27日に「Tencent Games Annual Conference」(Tencent Games年次発表会)がオンラインで開催された。3時間半にわたって40タイトル以上が紹介されたが,4Gamerでも,日本に関係がありそうな,日本でもサービスされそうなタイトルを中心に9本を選んで紹介しているので,ぜひ読んでみてほしい。

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 さて,2019年秋の「爆走ドリフターズ」iOS / Android)以降,日本進出に意欲を見せつつあるテンセントだが,その2019年にTencent Gamesが新たに付けたブランドコンセプト※1「Spark More!去发现,无限可能」(Spark More!無限の可能性を発見せよ)が,この発表会のテーマとなった。テンセントの上席副社長である马晓轶(スティーブン・マー)氏曰く,「ゲーム産業はいま,可能性あふれる時代の交差点に立っている」

※1
ちなみに2010〜2019年のブランドコンセプトは「用心制造快乐」(心を込めてハピネスを創る)

ゲーム産業に対する認識,そしてTencent Gamesの将来を語ったテンセント上席副社長スティーブン・マー氏
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 そもそもテンセントについて「なんとなく大きい会社」「Wechatの会社」くらいの認識は持っている人も多いと思うが,客観的に見てテンセントは,中国最大の,そして世界第2位の売り上げを誇る※2ゲーム会社であり,世界トップクラスのユーザー数を抱えるコミュニケーションサービスである「Wechat」「QQ」※3を抱える会社でもある。
 ゲームやSNSだけでなく,Wechatに内包したフィンテック分野においても相当なシェアを持っており,中国という国に対して事実上絶大な影響力を持つ会社だ。以前テンセントの人が「我々が興味ないものは兵器だけだ」と言ってたのも,あながち冗談ではないのかもしれない。

※3 ワールドワイドで普及しているFacebookは,24.5億MAUで文句なしに世界最大。次いでWhatsAppが16億MAUだが,事実上中国とその周辺でしか普及していないWechatも11.5億MAUで,Instagramの10億MAUを規模で抜いている。QQも7.3億MAUという規模で,Tencentという会社の影響力の大きさが分かる。ちなみに,ゲーマーが大好きなTwitterは3.4億MAU,日本のSNSの雄であるLINEは(世界全体で)1.6億MAUという規模だ。(外部サイト:Global social media research summary 2020 | Smart Insightsより)
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 時価総額68兆円で6.3万人の社員を持つ巨大企業テンセント(社員数は2019年度IR資料より抜粋)のゲームで,日本で一番有名な作品は「王者栄耀」(おうしゃえいよう,邦題:伝説対決 -Arena of Valor-)だろうか。アジア圏(とくに中華圏)では誰もが遊ぶMOBAだが,それとは別にテンセントは,多くの大手ゲーム関連会社の株を持っていることでも有名だ。その数,表に出ているものだけで実に50社近くある。

日本で一番最近出資を受けたマーベラスは,「両社のノウハウを合わせることで、モバイルカテゴリーでの『牧場物語』IP の展開を目指しております」というリリースを出している
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 「ドラゴンネスト」のEyedentity Games,韓国の有名SNSであるKakaoおよびKakao Games,「Unreal Engine」と「フォートナイト」のEpic Games,言わずもがなのActivision Blizzard,韓国MMOの雄であるNetmarble,「League of Legends」のRiot Games(これは100%子会社),「クラッシュ・ロワイヤル」のSupercell(最新情報では84.3%で,これもまたほぼ支配的),ストラテジーゲームの雄Paradox Interactive,中国2大ストリーミング会社であるDouyuHuya,これまた言わずもがなのUbisoft,「PUBG」のBluehole Studio,中国巨大企業のShanda Games(現社名はShengqu Games),日本でも有名な動画配信会社Bilibili,歴史あるスウェーデンのゲーム開発会社Funcom,ゲーマー向けコミュニケーションツールであるDiscord…… 有名どころだけを書き出しているのに,これでもキリがない。日本では,エイミング,プラチナゲームズ,マーベラスが,現時点でテンセントの出資を受けている(ひととおり調べたものを,一覧にして記事本文の末尾に置いたので,参考にしてほしい)。

 さてお金も人も,もちろんそれ以外のリソースも莫大に持っているテンセントが,今まで以上にゲームに力を入れていくという。テクノロジー,ゲームシステム,ストーリーという3つのコア要素に注力し,さらなるゲーム業界の進化の可能性を模索するとのことだ。
 もちろんゲームそのものに関連する部分だけでなく,5G通信システムやAI,クラウドコンピューティングや量子コンピュータなど,今後さらなる成長が期待される新分野に関する基礎インフラの部分にも,8兆円近い莫大なリソースを割いていく。※4
 未成年保護や人材育成など,社会への影響を念頭においた活動も大規模に行っており,会社の動きとしては(困ったことに)非の打ち所がない。

 中国政府が強めているネットの規制は,どんなに強がってみたところで,中国全体の多くのインターネット企業にとって逆風であることは否定できず,そしてその規制からはたとえテンセントと言えども逃げられない。この中国の強固なネット規制は,GoogleもFacebookもTwitterも寄せ付けず,国内のIT企業に独自進化を遂げさせて巨大化させるという,経済とテクノロジーの発展には大いに寄与してきたが,裏を返せば,現段階では多くの企業が規制の中でしか通用していないこともまた事実だ。
 Baidu,Wechat,Weibo,Alibaba……皆さんの多くも名前は聞いたことがあると思うが,そのサービスを使ったことがある人がどれだけいるかというと,そう多くないように思う。世界レベルで「成功」しているサービスと言い切れるものではないわけだ。

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中国のApp Storeから,版号(ライセンス)を持たない数千本のアプリが削除か


 中国当局からの指示を事実上かわし続けてきたアップルが,ついに重い腰をあげた。来月(7月)から,中国当局の版号(ライセンス)を持っていないApp Storeのゲームアプリを,すべて削除するとのことだ。


[2020/06/26 12:00]

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中国の「ゲーム適齢提示」の全貌。4種類に分けられた年齢層の,それぞれにおいて許されること,許されないこと


 秋頃から日本でも話題にのぼり始めた,中国政府による「ゲーム適齢提示」だが,シンプルな年齢制限というわけでもなく,意外に複雑で全体像がつかみづらい。この基準策定の中心となった,人民網から入手した資料を翻訳して掲載しよう。


[2019/12/28 00:15]

 そういう状況下では,比較的国外に出やすい産業の筆頭として「ゲーム」が挙げられる。ゲームの面白さが国境を越えられることは,読者の皆さんであればよくご存じだろう。ゲームが会社全体の売り上げの35%を占める(他分野と比較すると最大比率だ)テンセントも,そこを今以上に強化し,世界で戦える実力を身につけつつ,国外への動きをさらに活発化していくものと思われる。
 そもそも,これほどの会社規模になったら,いくら中国が巨大だといってもビジネス規模が国内では収まることはないだろうし,中国という国が自国の文化輸出を求めているという背景も,国外進出を強く後押ししているように思う。事実上中華圏だけでのサービスであるにも関わらず,68兆円という規模になったこの会社は,世界に打って出たときにどんなことになるのだろうか。
 そんなテンセントがいま何を考えて,どこに進もうとしているのかが垣間見えるこのスピーチを全文翻訳して,適宜リンクや参照記事を追加しておいた。興味のある方はぜひお読みいただきたい。

 前述のように,日本のゲーム会社も何社かはテンセント資本が入っており,少なくともあと数社が水面下で動いていることは間違いない。日本国内で支えられない会社やプロジェクトを活かす資本があることは,事情や理由の如何に関わらず,個人的にはとても良いことだと思う。

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Aimingと中国企業Tencentが,相互のタイトル配信を目的に資本業務提携を締結


 Aimingは本日(2014年12月11日),中国の大手インターネットサービス企業Tencentと資本業務提携を締結したことを発表した。これは,Aimingのアジア圏への進出と,アジア圏の優良タイトルの獲得が目的とのこと。また,Tencent側も日本での展開の足がかりとする意図があるようだ。


[2014/12/11 20:50]

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プラチナゲームズがテンセントとの資本提携を締結。今後は自社タイトルのパブリッシングも


 プラチナゲームズは本日,テンセント・ホールディングスからの出資を受け入れ,同社との資本提携を締結したことを発表した。今回の出資受け入れにより,プラチナゲームズは経営基盤を強化するとともに,ゲーム開発のみならず自社タイトルのパブリッシング事業にも取り組んでいくという。


[2020/01/07 14:26]

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[2020/05/25 18:26]

 そして重要なのは,テンセントの資本が入っている“当事者”が,「テンセントは事業に介入してこない」と話していること。資本投入先が増えれば増えるほど,事業への介入は現実的ではなくなってくるし,なにより常に「プラットフォームであろう」とするテンセントは,個々の利益を最大限追い求めて事業をしているわけではないということを考えると,あんがい違和感はない。
 世界中で評判の高い日本発のゲームだが,とりわけ中国からは,とてもリスペクトされている。そしてそれは,テンセントといえど例外ではない。前述の国外への動きの強化などを含め,このあとますます日本のゲーム業界においても存在感を増していくであろうこの業界の巨人を,いまからウォッチしておくのもよいと思う。

2010年以降にテンセントが出資したゲーム関連会社一覧

数字はすべて,テンセントのIR資料や各種経済誌など,信頼できるソースのものだけを表記しています(調査は編集部が独自に行ったものです)

投資年度 受資会社(国) 投資金額 持ち株比率
2010 GH Hope Island(韓国) 25億KRW
Eyedentity Games(韓国) 39.99億KRW
Redduck(韓国) 15億KRW
Nextplay(韓国) 15億KRW
Topping(韓国) 15億KRW
Reloader(韓国)
Studio Hon(韓国) 14.5億KRW
2012 Level up(シンガポール) 2695万USD 100%
Kakao(韓国) 6400万USD 13.84%
Epic Games(米国) 3.3億USD 48.4%
Zam(EU)
2013 Activision Blizzard(米国) 14億USD 6%
Plain Vanilla(アイスランド) 2200万USD
2014 4:33 Creative lab(韓国) 1.1億USD 25%
Playdots(米国) 1000万USD
Aiming(日本) 16.84%
Artillery(米国)
CJ Games(韓国) 5億USD 28%
TapZen(米国) 800万USD
PATI Games(韓国) 2000万USD
Netmarble(韓国) 5億USD 17.7%
2015 Riot Games(米国) 4億USD 100%
Glu Mobile(米国) 1.26億USD 41.6%
Miniclip(スイス)
Pocket Gems(米国) 6000万USD 20%
2016 Supercell(フィンランド) 86億USD 81.4%
Paradox Interactive(スウェーデン) 2100万USD 5%
DouYu(中国) 1億USD
2017 Frontier Developments(イギリス) 2320万USD 9%
OurPalm(中国) 4.9億RMB
Seasun Games 西山居(中国) 1.43億USD
2018 Ubisoft(フランス) 3.7億USD 5%
Kakao Games(韓国) 4700万USD
Grinding Gear Games(ニュージーランド) 6000万USD 80%
Dream11(インド) 1億USD
Bluehole Studio(韓国) 4.47億USD 11.5%
Shanda Games(現社名:Shengqu Games)(中国) 30億RMB 5%
Bilibili(中国) 4.75億USD
DouYu(中国)※追加投資 6.32億USD →37.2%
Huya(中国) 4.62億USD
2019 Sharkmob(スウェーデン) 100%
Fatshark(スウェーデン) 5630万USD 36%
Funcom(ノールウェー) 1.48億USD 29%
Discord(米国)
Supercell(フィンランド)※追加投資 →84.3%
2020 プラチナゲームズ(日本)
Yager(ドイツ)
マーベラス(日本) 70億円 20%
Huya(中国)※追加投資 2.63億USD →50.1%
Bilibili(中国)※追加投資 →18%

###以下が,テンセント上席副社長であるマー氏のスピーチ翻訳###


皆さん,こんばんは! Tencent Games年次発表会に,オンラインで参加していただきありがとうございます。

今年の春節(旧正月)以降,COVID-19の影響で家にこもる生活を余儀なくされました。そして家にこもっているこの間,多くのメディアはゲームを例に出して,「在宅経済」の話題を取り上げていました。Nintendo Switchの「リングフィット」が入手困難な「ハードカレンシー」※5になった現象も目撃しました。Tencentが出しているゲームの中でも,たくさんのプレイヤーがIDを使って※6,お互いに元気付けていました。物理的な距離は離れていましたが,オンラインで人とつながる温かさを感じました。

※5
一般的には「国際通貨」のようなものを意味する言葉で,国際的に信頼されていてほかの国の通貨との交換が容易なものを指す……のだが,もちろんここではそういう意味でなく,長期的な家ごもり生活で,運動+ゲームの需要が増えて「リングフィット」の価額が高騰してほとんど買えなくなって,皆が欲しがるものになっていった様子……を表現したものだろう。

※6
武漢がロックダウンされている間,中国本土の多くのユーザーは「武汉加油」(武漢頑張れ)というIDで武漢にエールを送っていた。

COVID-19の流行で,ゲームが持つ「人を慰める力」がワールドワイドで注目を集めました。世界保健機関(WHO)は,「ゲームを楽しむことで心の健康を維持しよう」と提唱しました。※7

※7
該当記事は→こちら。またWHOオフィシャルの声明ではないが,WHOのテドロス事務局長もレイ・チェンバースのツイートを引用し、「コロナウイルスに勝利するために、みんな#離れていっしょに遊ぼう」と呼びかけた。

Tencent Gamesを含め,世界各国から50社以上のゲームメーカーが「#PlayApartTogether」(離れていっしょに遊ぼう)というメッセージが込められたキャンペーンを実施しました。プレイヤーに「ゲームを通じてオンラインでソーシャル活動をして,コロナと戦います」という選択肢を与えました。

いまはコロナによって起こっている特殊な状況ではありますが,ゲームがどう認識されるのかについて,啓発的な新しい角度を与えられたのかもしれません。ゲームはエンターテイメントの単なる1つの形態ではなく,単なる1つの産業でもなく,人々のソーシャルやカルチャーの体験でもあり,心に強く寄り添ってくれるものであり,問題解決のメソッドになるものかもしれません。

最近の例を挙げると,「Foldit」というゲームは,パズルゲームを遊ぶ感覚でコロナウイルス拡散抑制のタンパク質構造を解明しようとしているプロジェクトで,すでに世界中で20万人ものプレイヤーが参加しています。このタイトルは以前,プレイヤー達の力でHIV治療薬を開発するために必要となる酵素プロテアーゼの構造を10日以内に解き,15年間科学者を困惑させてきた問題を解決したという実績があります。

タンパク質の構造を予測する難しい作業をパズルゲームにした「Foldit」
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Access Accepted第335回:科学の進歩に貢献するゲーム


 専門家の10年以上にわたる研究でも解き明かせなかったタンパク質の立体構造の謎が,ゲーマーによってあっさり解決されてしまったという出来事が話題になっている。問題をゲーム仕立てにすることでゲーマーの関心を集め,スーパーコンピュータでも難しい問題を皆で考えてもらう。そんな試みが欧米の教育機関などで注目されている。今週は,ネットワークが発展した現代ならではの研究スタイルについてレポートする。


[2012/02/20 16:24]

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ゲームで広がる支援の輪。ゲームメーカーやコミュニティが取り組む新型コロナ感染拡大防止への対策や支援と“ゲームファンができること”を紹介


 新型コロナウイルス「COVID-19」感染拡大防止への対策や支援のため,世界中のゲームコミュニティがさまざまな形で活動している。ゲームメーカーや関連企業,ゲーム以外の団体や著名人が取り組む施策や寄付活動などの情報を,“ゲームファンができること”と合わせて紹介しよう。


[2020/04/22 12:00]

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[2020/03/14 21:19]

このようなケースは世界の至るところで増えています。例えば,Tencent Gamesの公共福祉ゲームである「见」によって,ゲームを通じて目が不自由な方への共感を得ることが可能になりました。昨年発足した「ドリーミングプラン」※8により,テンセントはすでに教育・文化・医療・社会福祉などの領域で,エンターテイメントの枠を超えた26タイトルを出して,社会的に非常に良い反響を得られました。

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※8 エンターテイメント領域の延長で,ゲームによる他領域の応用価値を探るプロジェクト「ドリーミングプラン」による「见」(上)。同プロジェクトはほかにも,海洋環境保護知識の普及を目指す「守护那片海」(左下),AIDSを題材にした「蓝桥咖啡厅」(右下)などがある
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機能的なゲーム以外にも,「王者栄耀」(邦題:伝説対決 -Arena of Valor-)のような人気ゲームも「新文創」※9の方式で,伝統文化に新たの表現を加えることで,多くの若者を中心に人気を集めています。

※9
2018年からのTencentの戦略で,IPを単なるエンターテイメントとして消化するだけでなく,もっと価値の高い文化的なものを創るべきだというもの。(→中国語外部サイト

人の興味や潜在能力を刺激するデジタル体験として,ゲームは各方面での価値を発揮し始めています。より大きい社会価値を追求することは,ゲーム業界にとって新たな境界線を探る,想像空間を広げる行動の,目に見えない強力な原動力となりつつあります。

ゆえに,Tencent Gamesは昨年に一歩前に進み,「Spark More!無限の可能性を,発見せよ」というブランドコンセプトを提唱しました。ゲームに対する認識を広げて,ゲーム産業を次の時代に進歩させることを願ってます。

ゲームの可能性をさらに広げていくためには,製品にさらなる進化が必要です。その進化を牽引する「三つの馬車」はもちろん,テクノロジー・ゲームプレイ・ストーリーラインの三つとなります。

テクノロジーの進歩とゲームの進化は,常に補完し合って相乗効果を生んでいますが,将来もそうだと確信しています。 特に今後は,5Gに代表される新しい通信技術の進歩と普及により,クラウドゲーミングのような方式も見慣れてくるのでしょう。皆さんはすでに発表会の特設サイトで,クラウドゲーミングの体験をできます。ARやVRなどの仮想技術はもちろん,量子コンピュータの演算能力の変革で,将来のゲームに大幅な進歩をブーストさせることでしょう。

テクノロジーの変革は,ゲームプレイの革新にも広い余地を与えました。「新しいゲームプレイシステム」は事実上貴重であり,そうそう存在しないものとも言えます。1990年代以来,新しいブレイクスルーを見せてくれたゲームプレイシステムは,15個ほどしかありません。

Tencent Gamesは,随分前からゲームプレイに力を入れています。2008年の市場細分化戦略から,ゲームプレイを充実させる取り組みをしてきており,複数のジャンルで社会現象レベルになったタイトルを出しました。今後も引き続き,体系的に,世界中にある新しいプレイ方式を発掘して支援を続けます。そして,次世代製品へと成長させます。

テクノロジーとゲームプレイがあるうえで,プレイヤーに感情的な絆を与えるのは,良きストーリーラインです。このストーリーラインは,IPを使って簡単に注目を集めるのではなく,ストーリーラインの核心を理解して,適切なゲームプレイシステムとうまく組み合わせなければなりません。ゲームプレイとストーリーラインを融合させるのも,我々が今後探索する予定の,一つの大事な方向です。現段階の弊社タイトルはまだまだ初歩的なものではありますが,今後の展開は期待できると思います。

いま,新たなテクノロジーの人気は世界的な加速を見せ、ゲームプレイのイノベーション・サイクルは短縮され、ストーリーのIP創出がこれまで以上に豊富になっています。ゲーム業界が,エキサイティングな可能性に満ちた新しい時代に直面しているのです。未来に向けて,ゲーム産業もこの領域の「新型インフラ」をしっかり構築する必要があります。

その第一は,未成年を守るシステムを作ることです。ゲームは常に「適度」であるという前提なのです。我々は未成年者を守るための努力やコストを惜しまず,「成长守护平台」(成長を守るプラットフォームシステム)※10と「健康システム」を基に,社会との連携を強化し,青少年の健全な成長過程において,ゲームをよき友とすることを目標にしています。

※10
Tencent Gamesによるゲームシステムで,親や教師に向けて,子供のゲーム時間の把握・管理をするツールを提供し,未成年が適度なゲームプレイを楽しむことを目標にしている。Tencentがリリースするゲームタイトルには組み込まれており,ゲーム登録の際は実名認証が必要で,18才以下の未成年プレイヤーに対しては,一日のゲームプレイ時間の制限が設けられる。3時間以内であれば通常のプレイが楽しめるが,3時間〜5時間になるとゲーム内での経験値やゴールドなどの収入が半減し,5時間以降は入手できるものがゼロになる。

2つめは,グローバルコラボレーションシステムの構築を目指しています。Tencent Gamesは,国内外の100社以上のゲームメーカーやスタジオと協力し「グローバルの技術共有メニュー」を構築する予定で,世界中のプレイヤーに,地域や分野を超えた「旬のサービス」を提供していきます。

第三に,ゲーム業界で最も重要な資源は「人材」であると考えるテンセントは,将来の成長を牽引する優秀な人材育成のために,世界をリードする複数の大学との協力体制も構築しています。テンセント・インスティテュート・オブ・ゲームズ(Tencent Institute of Games:テンセント ゲーム研究所)が始動させた,テンセント・ファイヤーワーク・プラン(花火计划:Tencent’s Firework Plan)※11によって,人材育成とゲーム業界の創造性の開発に努めています。

※11 この年次発表会で紹介され,近々日本でサービスされる「画境長恨歌」は,テンセント・インスティテュート・オブ・ゲームズによる「ケプラープロジェクト ゲーム創作大会」で,5名の大学生が作った受賞作で,同時にテンセント・ファイヤーワーク・プランの支援作品でもあった。
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「闪现一下」
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そして最後になりますが,ユーザーとの距離感を感じさせないコミュニティプラットフォームを構築しました。 テンセントの公式ゲームコミュニティ「闪现一下」アプリは,本日より正式サービス開始となりました。アプリ内で情報やキャンペーンなどをたっぷりとお届けしますので,ぜひダウンロードして体験してみてください。

Tencent Gamesはこれから,より多くのパートナーやプレイヤーとともに,ゲームの可能性を追求し,ゲームのまだ見ぬ世界へと皆さんを連れていくことを目指していきます。



著者: ” — www.4gamer.net

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Nicolo Laurent

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著者: “jp.gamesindustry.biz編集部 — jp.gamesindustry.biz

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ゲーム業界ニュース

【月間総括】ソニーのEpic Gamesへの出資はPS5の高速SSDを開花させるのか –

Mine Sasaki

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 今月も,PS5の話を進めたい。
 ソニーは,2020年7月10日,米Epic Gamesに2.5億ドル(約270億円)を出資する方針を発表した。出資比率は1.4%としている。
 プレスリリースでは,吉田CEOが(おそらく)フォートナイトに言及しているように思われた。しかし、エース経済研究所で独自にソニーにヒアリングしたところ,「来年後半にリリース予定のUnreal Engine 5のデモがPS5で行われたように,将来を見据えたものであり,自社でもPS4・PSVR用タイトルの開発にUnreal Engine 4を利用していることなどから出資を決めた」としている。

 つまり,本命は,本命は,前回指摘した「汎用エンジン対応による高速SSDへの最適化」であろう。実際,このヒアリングでも,ソニーに対するヒアリングでも,出資を通じて,Epic Gamesは次世代のゲームエンジンUnreal Engine 5で高速SSDへの最適化を行うとの感触を得た。

 これは,Wii UとXbox Oneの教訓を生かしたものだと考えている。両機には,メインチップに組み込みメモリが搭載されていたが,ゲームエンジンが対応しなかったため,ほとんど活かされることはなかった。任天堂と,Microsoftの誤算は,開発費の高騰で,自社エンジンから汎用エンジンへの移行が想定以上に早く進んでしまったこともあるだろう。エンジン対応がなくても高速SSDは通常のロード/セーブで十分な速度を出すのは間違いない。しかしエンジンの対応があれば,せっかくの高速SSDをさらに生かすことができるということだ。
 その轍を避けるべく,SIEは,Epic Gamesに出資することでPS5の高速SSD対応を行ってもらおうと考えたということである。
 どちらにせよ,SIEが実効性能を認め,高速SSDの実効化に積極的に動いていることは大変良いことではないだろうか。個人的には,Cerny氏が方針を変えたことで,このように実効性能を認めていただけるのは大変嬉しいことである。

 ただ,ソニーは戦略的出資としているが,その言葉とは裏腹に,戦略的には特段の意味はなさそうで,主にマーケティング的な意味合いが強いものだろう。
 そう考える理由は,主に2つだ。1つめは,Unreal Engine 5の投入が来年以降で(プレビュー版が2021年初頭,正式版が2021年末),それを使ったゲームが出る頃には,すでにPS5の趨勢は決着がついていると見ていることである。
 2つめは,ロード速度とゲーム機の成否に相関性が見られないことである。ロード時間が短いとは言い難いPS1,PS2も商業的には大成功であった。一方,任天堂では,ロード時間の短さが売りであったニンテンドー64,GCは失敗しているがファミコン,ニンテンドーDS,Switchとロードが速いマシンで成功事例があり,相関性は低いと言わざるを得ない。
 やはり,マーケティング的に,Unreal EngineはPS5に最適化されているという点を強調したいのだろう。

 ところで,もう1つ大きなニュースがあった。日経ブルームバーグが相次いで,PS5の増産報道を行ったことである(関連記事)。

 日経とブルームバーグで900万台か1000万台と台数には差異があるが,どちらも,年内の生産数を以前の目標よりも引き上げるということのようである。予約が始まっていない段階での増産決定は,奇異に映る方も多いかと思うが,これは前回も指摘した大きさとも関連があると見ている。
 まず,注意してほしいのは,年内の生産分がすべて年内に届くわけではない点である。実際に,年内に供給できる台数はこの数字よりもずいぶん少ないだろう。3月までならば,世界の多くの顧客に届くはずである。PS4が初年度750万台の売上台数だったことと考えると,これは十分な生産台数と言えるだろう。

 では,年内の生産分が何故,年内に届かないのか? それは,輸送にボトルネックが存在するからである。これまでSIEは,需要が高まるとゲーム機の空輸を行っていたと認識している。しかし,今回は2つの理由により空輸は困難であると見ている。空輸の場合,燃費に係わるので重量物に対する輸送料が高くなる傾向がある。PS3の初期モデル以上の重量だと推測されるPS5はコストがかかりすぎて現実的ではないのである。
 もう1つは,新型コロナウイルスの影響も見逃せない。現在,各国ともに入国制限を実施している関係で世界的な旅客機の移動が難しくなっている。このために,旅客機と同時に貨物を乗せることが難しくなっているのである。データが日本しかないのが残念であるが,日本の航空輸入の実績は,5月が前年同月比−23%と大きく落ち込んだ(参考URL)。

 そして,空輸というと前回指摘したように初期型PS3が使ったようなチャーター機を使う手段を思い浮かべるかもしれないが,初期型PS3以上のサイズとなるPS5では片道分で済む旅客機混載の貨物と違い,往復の輸送料がかかるチャーター機はとても現実的な輸送手段として使えないと考えている。

 飛行機が使えないということは,PS5が需要の変動に機動的に対応することができないということを意味している。Switchの品薄の時にも述べたが,中国や日本から米国,欧州に船便で輸送すると優に1カ月はかかってしまう(下図参照)。
 今回の増産が事実だとすると,SIEが売れると確信したからではなく,輸送上の制約による機会ロスが起こるのを恐れ,予約も始まっていない段階で増産するしかないということなのだ。

(出所)ヒアリングやエース経済研究所の推計より作成

 PS5は,その巨大なサイズが大きな影響を与えているように見える。過去の例を見ても,大きいサイズのゲーム機が成功した事例は見られないのである。にも拘わらず,輸送コストの上昇,機動的な生産調整ができないというデメリットを覚悟のうえで,このサイズを選んだのは,その高性能が影響している。

 おそらく,このようなロジックに基づく結果だと思われる。
 「ゲームソフトこそが販売の決定的要因である。とくに,サードパーティのフォトリアルAAAタイトルが雌雄を決する。であるならば,性能を一定水準にしないと,ゲームソフトが供給されず,プラットフォームビジネスが維持できない」

 これが大前提だと考えるとPS5とXBOX series Xが高性能で巨大なゲーム機なのも説明が付く。問題は「これが事実なのか?」である。

 エース経済研究所では,ユーザーは,高性能なゲーム機を求めている訳ではないと考えている。こう言うと驚く方が多いと思うが,データ的にも明らかである。
 性能が低いとされるWii,Switchは,高性能とされるPS4の四半期の販売(着荷)データを比較しても遜色がなく,性能が低くても高くても販売に相関性があるように感じられない。とくにPS4は性能的に同一なのに,日本と海外で勢いに顕著な差が出た。ユーザーが一律に性能を求めているなら,このような差は起こらないはずである。

●販売(着荷)台数推移

(出所)決算資料より,エース経済研究所
【月間総括】ソニーのEpic Gamesへの出資はPS5の高速SSDを開花させるのか

 結局のところ,PS5のこのサイズは,サードパーティの要望を聞いた結果だということなのであろう。そして,SIEとMicrosoftにとって,意見を求めるべきはユーザーではないと考えている風に見える。

 ユーザーは果たして大きなゲーム機を望んでいるのだろうか? エース経済研究所では,疑問に思えるが,杞憂と思う方も多いかもしれない。これが杞憂かどうかは,来年には明らかになっているだろう。



著者: “jp.gamesindustry.biz編集部 — jp.gamesindustry.biz

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ゲーム業界ニュース

人間と見分けが付かないほど高精度な文章を生成するAI「GPT-3」について哲学者らはどう考えているのか? –

Mine Sasaki

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メモ



人工知能を研究する非営利団体のOpenAIが開発した言語モデル「GPT-3」は、人間が書いたものと見分けが付かないほど高精度な文章を生成できるとして大きな注目を集めています。そんなGPT-3によって提起されたさまざまな課題や議論について、9人の哲学者らが各々の意見を述べています。

Philosophers On GPT-3 – Daily Nous
http://dailynous.com/2020/07/30/philosophers-gpt-3/


◆1:ニューヨーク大学 デイヴィッド・チャーマーズ教授
チャーマーズ氏はGPT-3が基本的に前世代であるGPT-2の拡張バージョンであり、主要な新技術が含まれているわけではないと指摘。その一方で、GPT-3には1750億個ものパラメーターが含まれており、はるかに多くのデータで訓練されたことにより、これまで作られたAIの中で最も興味深いものの1つになったと述べています。

チャーマーズ氏はGPT-3がマシンと人間を判別する「チューリング・テスト」で、これまでに作られたどのAIよりも合格に近づいた点にも触れ、GPT-3が1つの分野だけに特化した人工知能(AI)ではなく、一般的な知性を持つ「汎用人工知能(AGI)」のヒントにもなると考えているとのこと。

その一方で、GPT-3は多くの哲学的課題を提起したとチャーマーズ氏は述べ、訓練に使われるデータによるバイアス、人間の労働者から仕事を奪う可能性、悪事や詐欺などに使われる危険性など、多くの倫理的な課題が存在すると主張しています。また、GPT-3は「テキストを完成させる」といった目的以上の好みは持たない純粋な言語システムなので、「幸福」や「怒り」を本当に理解することは難しいのではないかとチャーマーズ氏は考えています。


◆2:OpenAI ポリシーチーム研究員 Amanda Askell
Askell氏は、GPT-3は多くのデータで訓練することによって複雑さを取り込み、いくつかの指示を与えるだけで細かい微調整をせずにタスクを完了させられる点が興味深いと述べています。その一方で、ほとんどのタスクでGPT-3は人間のレベルにほど遠く、コンテキスト全体で一貫したアイデンティティや信念を保つこともできないと指摘。

Askell氏は多くの哲学者らがGPT-3のような人工知能モデルについて考え、予測していることに興奮すると述べており、言語モデルの限界についての議論が哲学者らによって明確になると期待しています。将来的に言語モデルも「言語以外の世界」に触れるべくデータの範囲を広げるべきなのか、あるいは機械学習モデルの道徳的地位やAIにおける「知覚」の指標についても、今から考え始めるべきだとAskell氏は主張しました。

◆3:サンフランシスコ州立大学 Carlos Montemayor教授
Montemayor氏は「GPT-3とのやり取りは不気味です」とコメント。人間は言語能力の点で他の動物や機械よりも特に優れていると考えられてきましたが、もし機械が平均的な人間によりも優れた回答を出せる場合、前提が揺らぎます。それほどまでに優れた言語能力を持つGPT-3は、人間中心主義的な価値観からは嫌悪されるかもしれませんが、人間の知能と言語における関係を正確に理解するためのステップになり得るとのこと。

一方で、AIがチューリングテストを乗り越えるまでには長い道のりが存在しており、「人間が言語を使う目的」も重要な質問になってくるとMontemayor氏は指摘しています。社会生活の中では、単に言語を用いて意味論的情報を体系的にエンコードすることだけが重要なのではありません。言葉を交わす場の状況や相互の期待、行動のパターンといった点に注意を払う必要もあるため、GPT-3は真のコミュニケーションを行うことができるAIからはほど遠いとのことです。


◆4:プリンストン大学 Annette Zimmermann博士
Zimmermann氏は、GPT-3がもたらした驚くべき結果にAIコミュニティは有頂天になったものの、「他のAIと同様に歴史的な偏見や不平等のパターンを受け継いでいる」という欠点も引き継いでいることを指摘。機械学習アルゴリズムの開発においてデータセットに含まれる偏見や差別は大きな問題であり、複雑な道徳的・社会的・政治的な問題空間があることを示唆しているとのこと。

AIの設計において社会的意味と言語的な文脈は非常に重要であり、テクノロジーが不正や差別を定着させることがないように、研究者らは慎重に検討して議論を重ねる必要があるとZimmermann氏は述べています。また、より公正な世界を生み出すAIを設計する上でチューリングテストのように「人間」を基準にする必要はなく、より望ましいAIを作るためなら自分自身や現代社会を評価の基準にするべきではないと主張しました。

◆5:マサチューセッツ工科大学 Justin Khoo准教授
Khoo氏は、AIを利用したスピーチが生成されるようになったことで、合理的な議論を阻害するボットに対する規制に取り組む必要が生じたと主張しています。ボットが生成するスピーチはオウムが人間の言葉を繰り返すようなものであり、「保護されるべき自由な言論」には当てはまらないとKhoo氏は考えています。

「ボットの規制は、ボットを操作するユーザーから言論の自由を奪うものではないか」との指摘があることはKhoo氏も認めています。しかし、そもそも言論の自由を守る目的は、人々が意見を自由に共有して議論を行い、真実を発見する試みを守ることにあると指摘。ボットは人々の合理的な関与を妨害するものであるため、暴力の扇動や犯罪目的の発言などと同様に規制されるべきであり、「言論の自由を守るためにスピーチボットを規制する必要がある」とKhoo氏は論じました。


◆6:ヨーク大学 Regina Rini助教授
Rini氏はGPT-3や現代のAIは人間と同様の精神を持った存在ではないものの、単なる機械とも違う存在だと指摘。GPT-3はRedditの投稿やWikipediaの記事、ニュース記事などを基に、何百万もの心を統計的に抽象化して表したものだとRini氏は考えています。

インターネット上で人々が行っているやり取りの多くは特定のタスクに基づいたシンプルなものであり、すでに一部のボットやチャットサービスがインターネット上で運用されている以上、やがてGPT-3の後継がインターネット上での会話型シミュレーションボットとして使用されることは目に見えています。未来の世界では人間と見分けが付かないAIがインターネット上で活動し、インターネットの向こう側にいる個人の存在があやふやになる時代が来るかもしれないとRini氏は指摘。誰もインターネット越しの「あなた」を認識できない時代で、自分がどう思うのかについてを考える価値があるとのことです。

◆7:ユタ大学 C. Thi Nguyen准教授
Nguyen氏は、GPT-3が「芸術やゲームを生み出す真に創造的なAI」を構築する夢に向けた一歩だと主張しています。しかし、「芸術を生み出すAI」のアイデア自体に反対意見はないものの、AIが生み出す芸術やゲームから経済的利益を得る上でターゲットとなる子どもたち、企業や機関がAIを使って製品を生み出す方法、そしてトレーニングデータのバイアスについて懸念があるとのこと。

企業や機関がAIを生み出すためのデータセットとして管理できるのは、「測定可能なもの」に限られています。そのため、「よい芸術作品」を作ろうとした際のデータセットにおける評価基準は、誰かの手による「よい」「悪い」といったタグ付けや、人々がレビューサイトに投稿した「星」の数、視聴回数などに基づくものとなり、芸術の繊細で微妙な価値を取りこぼす恐れがあるとNguyen氏は指摘。すでにゲーム業界では「中毒性」が評価されるようになっており、GPT-3などのAIから生み出されるゲームにも同様の問題が生じる可能性があるとNguyen氏は考えています。


◆8:ケンブリッジ大学 Henry Shevlin博士
Shevlin氏はGPT-3を使用して、2015年に亡くなった作家のテリー・プラチェット氏との(PDFファイル)模擬インタビューを再現したとのこと。しかし、模擬インタビューはプラチェット氏の作品に関する楽しい会話ではなく、恐ろしく実存的な会話が交わされたとのことで、相手が人間ではないと知っていても緊張してしまったとShevlin氏は述べました。

GPT-3の登場はフェイクニュースの作成や人間の労働者をAIに置き換える動き、訓練データに含まれるバイアスの問題など、AI倫理の分野にとって大きな課題をもたらしています。これにより、人文科学の分野に属する学者であっても初歩的な技術的知識と理解を身に付け、テクノロジー企業によって生み出される新たなツールに取り組む必要性が高まっているそうです。

◆9:エディンバラ大学 Shannon Vallor教授
新たなテクノロジーに関する哲学を研究しているVallor氏は、GPT-3が興味深い短編小説や詩を作成するだけでなく、時には実行可能なHTMLコードも作成できる結果は印象的だと認めています。その一方で、GPT-3をすぐに汎用人工知能などと結び付けて考えることは行き過ぎであり、誇大宣伝の面もあるとのこと。

AIが超えられないハードルはそのパフォーマンスではなく「理解」であるとVallor氏は指摘し、理解は単なる瞬間的な行為ではなく持続的で生涯にわたる社会労働だと主張しています。世界を構成する他の人や物、時間、場所との変化し続ける感覚を構築し、修復し、強化する「理解」という日々の営みは知能の基本的な構成要素であり、予測的で生成的なモデルであるGPT-3はこれを達成できないとVallor氏は述べました。


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